組織の力

2020.10.22

ウィズコロナのオフィスに求められる機能〈後編〉

これからのオフィスに必要な機能とは?

新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言解除後も在宅勤務を行う人は一定数おり、在宅勤務は働き方の一潮流となっている。このような時代に、オフィスはどのような機能を備えておくことが必要なのか。ウィズコロナの時代のオフィスについて、コクヨ株式会社ワークスタイルイノベーション部でコンサルタントを務める太田裕也氏にお聞きする。

これからのオフィスに必要な機能は
ワーカーの活動から考える

前編で紹介した「これからのオフィスが担う3つの役割」を実現するために、実際のオフィス空間にはどのような機能が求められるのだろうか。太田氏は、「必要な機能を明確にするためには、『オフィスが支援すべきワーカーの活動にどの様なものがあるのか』から考えていく必要がある」と説明する。

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「コクヨでは、今後のオフィスで行われるワーカーの活動を総ざらいでピックアップしてみました。すると、大きく7つのカテゴリーに分類することができたのです」

〈アクティビティの7つのカテゴリー〉
・オペレーションワーク(周囲の雰囲気や動きを感じながら、個人の仕事をスピーディに進める)
・チームビルディング(メンバーとの理解・信頼感を深め、チームの一体感や帰属意識を高める)
・チームシンキング(お互いの考えを視覚化して共有し、目線を合わせて、アイデア出しや議論をする)
・高集中ワーク(外部からの刺激を遮断したり限定するなどして、ひとつのことに没頭する・深める)
・特殊・専門ワーク(特殊機能や環境が必要な、業界・業種特有の専門的な仕事を行う)
・社外関係構築(自社の理念を伝え、共感してもらい、仲間を増やし信頼関係を築く)
・高機密性ワーク(高いセキュリティを要する情報を扱った議論などを行う)

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7つのカテゴリーから
オフィスをデザインする

この7つのカテゴリーにしたがってオフィスをデザインしていけば、オフィスならではの体験をかなえる空間が実現する。

そして、この7カテゴリーのうち、自社の業務内容やカルチャー、それぞれのワーカーにフィットするものを選び、その機能をもつ施設・設備を備えておくことが、今後のオフィスには求められる。

「たとえ同業であっても、必要な施設・設備は企業によって異なってくるはずです。どの機能が必要かを見極めるために、『どの仕事をオフィスで、どの仕事を自宅で行うか』を社内で議論することから始める必要があります。業務を整理し、オフィスで行う業務を切り出すことで、自社のオフィスに必要な機能が見えてきます。それぞれの企業に合った機能を備えたオフィスづくりが、生産性や創造性を高めることにつながるのです」



安心・安全なオフィス
のために必要な感染症対策

また、ウィズコロナ時代のオフィスを考えるにあたって欠かせないのが、「感染症対策」という観点だ。

「オフィスでの活動を通じて生産性・創造性を上げていくためにも、コロナに感染するリスクを軽減するための仕掛けをつくっていくことは必要です。コクヨでは、オフィスでの感染拡大を防ぐための基本方針を5つ挙げています」

〈オフィスでの感染拡大を防ぐ基本方針〉
1 距離(フィジカルディスタンスを確保、フィジカルディスタンスを促すサインを配置など)
2 密度(オフィスの人口密度を管理、社員の位置情報を分析し密集・接触を回避、オンライの活用など)
3 換気・衛生(会議室などの個室の換気と空気循環など)
4 非接触・遮断(共用物のハンズフリー化、パネルなどによる飛沫拡散防止など)
5 動線(一方通行で対面や接触による感染リスクの低減など)

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「具体的には、入り口での自動検温システムや、通気性を確保した空間づくり、『密』を避ける動線計画や施設運用がマストになるでしょう。また、固定ではなく可動家具を使うことでフィジカルディスタンスを保つといった工夫も大切です」



太田 裕也 (Ohta Hironari)

コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部/ワークスタイルイノベーション部/ワークスタイルコンサルタント/プロジェクトディレクター
建築学科卒業後、2005年にコクヨへ入社。「働く場」としてのオフィス、「学ぶ場」としての教育施設、「暮らす場」としてのホテル等、多彩な場の空間デザインを手掛け、「日経ニューオフィス賞」等のアワードを数多く受賞。 2011年以降、「意識・行動・空間」を多面的にデザインするコンサルタントとして、「2ndプレイス(オフィス)」のみならず、「1stプレイス(自宅)」や「3rdプレイス(シェアオフィス等)」もスコープに含めた戦略的ワークスタイルの実現を支援している。

文/横堀夏代
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