リサーチ

2020.08.11

新型コロナ→テレワーク急移行から得られた「働き方改革」のヒント

過半数の企業が新型コロナ収束後のテレワークに対しても前向き

パーソル総合研究所は、新型コロナウイルス感染拡大期の2020年3月と、第一波のピークとなった4月の2回に分けて、『新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査』を実施。各回とも全国2万人以上のビジネスパーソンから回答を得て、急速に拡大したテレワークの実態を明らかにした。

2020年3月2日より、新型コロナウイルス感染拡大防止のために全国一斉休校が実施されたことを受け、パーソル総合研究所は“新型コロナウイルスのテレワークへの影響”を把握するため、2万人規模の緊急調査を実施。さらに1か月後の感染ピーク期にも同内容で二回目の調査を行った。
 
テレワークの推進は働き方改革の一環として推進されていたが、順調に普及していたとは言いがたい。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大により企業は急移行を迫られ、緊急事態宣言の発令(7都府県:4月7日/全国:4月16日)前後を比較すると、テレワーク実施企業は僅か1か月という期間で2倍以上に増加している。
 
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調査によると、テレワークを今回初めて実施したという企業は、3月の調査で47.8%、4月の調査で68.7%。新型コロナウイルスが国内のテレワーク事情に及ぼした影響の大きさがわかる。
 
これまでテレワークを導入していなかった企業で急遽実施することになり、戸惑う企業やビジネスパーソンも多かったようだ。回答者からはテレワークに対して下表のような不安の声が挙がっており、特にコミュニケーションや評価に関する項目に多くの回答が集まっていた。
 
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テレワークの課題について聞くと、最も多かった回答は「運動不足を感じる」、次いで「テレワークでできない仕事がある」だった。
 
また、3位以下に散見される“環境”に関する項目にも着目したい。テレワークに必要な機器や机・椅子がない、自宅のネット環境が不安定、自宅でワーキングスペースを確保できない等の理由から、自腹で設備投資をするケースもあると聞く。少しでも身体への負担・ストレスを減らすための「姿勢づくり」の方法やワークスペースの選び方を理解すること(『在宅ワークで体が痛い!』 参照)に加えて、システム面での改善やセキュリティ強化も含め、テレワークに適した環境を総合的に整備していくことが必要と考えられる。
 
以下の記事では、家のダイニングチェアでPCワークをする際に少しでも身体への負担・ストレスを減らす「姿勢づくり」の方法や、ワーキングスペースの選び方などが紹介されている。
 
その他には、コミュニケーション面での問題や、成果を出すことへのプレッシャー等が、テレワークの課題として挙げられていた。
 
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新型コロナウイルス感染拡大の影響 で、テレワークは急速に「移行した」というよりも、「移行せざるを得なかった」という言い方が適切なのかもしれない。しかし、不安や課題は多いものの、過半数のビジネスパーソンが「新型コロナウイルス収束後もテレワークを続けたい」と回答している。不安や課題に加え、各人が所属する企業の方針もあるため難しい部分もあるが、テレワークに前向きなビジネスパーソンが多いという発見があった。
 
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緊急事態宣言下で急速に普及したようにも見えたテレワークだが、実態としては多くの企業やビジネスパーソンがやりづらさや不安を感じていたし、新型コロナウイルスの影響下でも完全なテレワークは難しく、少なからず出社を余儀なくされていた…というビジネスパーソンもいるようだ。
 
しかし、このたびのテレワーク急移行では社会全体が手探りであったが、2か月間で得られた情報や、浮かび上がってきた課題は、今後の普及のためのヒントになった。テレワークは元々働き方改革で推進されていたものであるし、新型コロナウイルス感染対策も長期戦が予測されており、テレワークの普及は双方の観点から必須といえるので、貴重な経験を次のステップにいかすことが重要なのではないだろうか。
 
今回明らかになったテレワークの足枷を断ち切るために、個人の環境整備のための投資を企業がバックアップすることや、新しいコミュニケーション手段の確立が求められる。テレワークが要因で社内決裁が遅れると、対外的なやり取りに支障が出るケースもあるので、課題と一つひとつ向き合いながら解決していくことが重要だ。また、ビジネスパーソン個人も、新しい働き方に適応したビジネススキルの獲得・向上をめざす必要があるだろう。
 
Web会議システムを利用したオンラインミーティングも増えているが、テレワーク下ではメールやチャット等の文字によるコミュニケーションの機会が多くなる。メールよりもスピーディーな対応が求められるビジネスチャットのスキル(『いますぐ身につけたいビジネスチャットのお作法 』参照)は、必ず押さえておきたい。
 
 
 
作成/MANA-Biz編集部
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