リサーチ

2020.07.13

RPA活用の推進は人材育成が課題

RPA研修参加者の92%が活用を望むが、76%が人材育成に困難を感じる

ヒューマンリソシア株式会社は2019年8月、同社RPAシナリオ作成技術者養成研修に参加した法人担当者を対象に、『RPA利用企業へのアンケート調査』(利用中の企業のほか、これから利用予定の企業も含む)を実施。1,588件(トライアル中:567件、導入初期:499件、拡大期:458件、その他:64件)の有効回答を得た。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ソフトウエア型ロボットによる業務自動化の取り組みのこと。「仮想知的労働者(Digital Labor)」とも呼ばれ、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担う。たとえば、請求所や経費の処理、発注・納品処理などの単純業務、データの収集・分散業務といった業務の負担が、RPAの導入によって大幅に軽減する。
 
AIと混同されがちであるが、一般的にRPAは業務を自動化するシステムそのものを意味する。一方AIは、RPAなどのシステム内に組み込まれ、データに基づいた判断や作業の振り分け等を行うITツールであり、そのシナリオを作成するのは人である。
 
ヒューマンリソシア株式会社が実施した『RPA利用企業へのアンケート調査』によると、回答者の92%がRPAの活用拡大に対する意向を示しており、RPAの有効性に期待感を抱いていることがわかった。
 
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RPAの活用を阻害する要素を聞くと、「スキルを持った人材の育成が難しい」が76%で圧倒的1位となっていた。「活用促進のために取り組んでいること」という質問においても、半数以上が「積極的な人材育成」を挙げており、シナリオを開発し運用できる人材の確保・育成が必須であるようだ。
 
また、「従業員の理解」についても、“RPAの活用を阻害する要素”と“活用を促進するための取り組み”の双方で2位に挙がっており、大きな課題の一つとなっていることが伺える。
 
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シナリオ開発担当者の数を、RPA導入期と拡大期の企業で比較すると、導入期は「育成中~2人」が半数を占めるが、拡大期には30%まで減少する。また、導入期には13%に留まっていた「10人以上」が、拡大期では34%まで上昇している。
 
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シナリオ開発を担当するのは、どのような人材なのだろうか。調査によると、情報システム部門やデジタル(RPA・IT等)推進部門よりも、実際にRPAを利用する部門(総務・経理・営業等の業務部門)が担当しているケースが圧倒的に多い。さらに、導入期と拡大期を比較してみると、活用が広がるにつれて、利用部門でのシナリオ開発率が高まるという現象もあらわれていた。
 
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調査では、RPAを活用するにあたり、「人材育成」が重要であることが浮き彫りとなった。RPAはあくまで定型業務を自動化するITツールであり、導入さえすれば勝手に動いてくれるわけではない。RPAは、基本的には人間が設定したルールに従って、忠実に作業を実行するものだ。つまり、誰かが自社の業務に適したオリジナルのシナリオを開発し、運用していく必要がある。
 
人材育成は容易なことではないが、調査によると、導入初期には人員が少なかったとしても、着実に育てていくことで活用拡大が実現していることがわかった。また、情報システム部門やデジタル部門などに頼り切らず、実際にRPAを利用する部門が積極的にシナリオ開発に関わり、そのなかで人材を育成していくと、RPAの活用拡大が実現できるのではないかと考えられる。
 
働き方改革では、残業や休日出勤を削減しながらも業績を維持・向上させていくため、業務効率UPが求められる。その方法の一つとして、RPAの活用に期待を寄せる企業は多い。調査から得られた結果は、RPAの有意義な導入・活用に向けてのヒントになるのではないだろうか。
 
 
 
作成/MANA-Biz編集部
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