仕事のプロ

2020.06.02

『マインドフルネス』

ストレスへの対処法を学び、個々の生産性を高める

ビジネスパーソンは短時間に大量の情報を処理し、最善の判断をすることが求められます。仕事量の多さが現代人の忙しさを生み、トレスの多い環境にさらされています。マインドフルネス(mindfulness)とは、瞑想をすることによって自分に意識を集中させ精神的な苦痛や苦悩を和らげることを目的としたメンタルトレーニングのひとつです。マインドフルネスをそのまま表現する直訳があるわけではないので、ここでは瞑想と訳していますが、別段宗教的な意味はありません。

元々はストレスを軽減させる医療的手段として研究され、最近ではビジネスの世界でワーカーのパフォーマンスを向上させることを狙って、海外の企業が積極的に取り入れているプログラムです。マインドフルという単語には「心を配る」「注意する」という意味があり、今自分に起こっていることに対してありのままに注意を向け、受け入れること。注意の向け方をコントロールすることを指します。

マインドフルネスには、日々のストレスへの対処法を学ぶことによりマイナス思考やストレスの軽減につながる効果があるといわれています。思考や感情を客観的に見ることにより、衝動に左右されにくく集中力や持続力が高まり、物事を冷静に判断する能力が身につきます。さらには疲労感の軽減・すっきり感・落ち込みの解消・気分の安定・リラックス効果など様々な効果が報告されています。

ビジネスの現場では、そのときどきの精神状態に大きく左右され、ストレスが高まるほど認識や判断の精度が低くなることがあります。個々のパフォーマンスを保つために自分の集中力・注意力が散漫にならないよう、ストレスコントロールや集中力を維持するマインドフルネスのプログラムは、特に冷静な判断が要求されるビジネスリーダーや経営者に高い評価を受けています。こころのエクササイズともいえるマインドフルネス、ストレスの対処法として一度チャレンジしてはいかがでしょうか。

金森 裕樹(Kanamori Yuki)


働き方と学び方を研究するコクヨの研究機関「ワークスタイル研究所」研究員。ワークスタイル情報メディア「ワークサイト」副編集長として雑誌・webで情報発信している。

オフィスのチカラ vol.9より転載