仕事のプロ

2020.05.26

いますぐ身につけたいビジネスチャットのお作法

SNSチャットの特性を生かしてビジネスを加速させる

近年はビジネスでもSNSチャットが普及しつつあるが、「チャットはフランクすぎて仕事で使うのは抵抗がある」「メールでもいいのでは?」といったストレスを抱える人もいるのではないだろうか。しかし、「全員がリモートワーク勤務」というユニークな形態の企業を経営するK.S.ロジャース株式会社代表取締役社長民輪一博氏は、「チャットに抵抗がある人でも、使い慣れればメールとは違ったメリットを実感できると思います」と力説する。家族や友人とのプライベートなコミュニケーションなどにLINEを使っている人は多いが、新型コロナウイルス感染拡大に伴ってリモートワークが急速に普及しつつあり、ビジネスでもチャットによるリアルタイムコミュニケーションが今後ますます必要になると予想される。民輪氏が実践している方法をヒントに、ビジネスチャットの「お作法」を身につけよう。

チャットをビジネスで
使用するシーンは増えている

 リモートワークの下ではWEB会議システムを利用したオンラインミーティングも増えているが、やはり主流は、文字によるコミュニケーションではないだろうか。文字のコミュニケーションといえば、現在もメールが主流だ。しかし近年は、ビジネスシーンでも「Googleハングアウト」「Facebook Messenger」「LINE WORKS」「slack」「chatwork」「Microsoft Teams」などのチャットツールが使われるようになり、文字を通じたコミュニケーションが拡がりつつある。
 スピーディにコミュニケーションが取れるチャットを活用している人がいる一方で、「どうしてメールじゃいけないの?」「チャットを仕事に持ち込むのは抵抗がある」「ショートメッセージが基本だからビジネスには向かないのでは?」とチャットをビジネスで使うことに前向きでない人もみられる。
 
 
 

国内外の従業員全員が
リモートワークで
成果を出す

「チャットをビジネスで使うのはちょっと…」という先入観を払拭してくれるのが、29歳の民輪一博氏が経営するK.S.ロジャース株式会社のビジネススタイルだ。大手企業や政府機関のシステム開発を手がける同社では、正社員・業務委託・副業あわせて70名のエンジニアを抱え、CTO(最高技術責任者)として各クライアントのプロジェクトに参画する。
 同社では、オフィスを持たずに従業員全員がリモートワークで働く形態を取っている。プロジェクトの内容に合わせて民輪氏が複数名のメンバーをアサインし、チームで仕事をする。メンバーは国内外に散らばっているため、互いに顔を合わせる機会は基本的にない。民輪氏自身も6割のメンバーとは会ったことがなく、採用のための面談もオンラインで行っているそうだ。社内における仕事の連絡や相談は、ほぼ100%「slack」で行われる。
「学生時代に大学発ベンチャー企業、卒業後にAI系スタートアップに参画し、3社目で初めて代表取締役を務めています。フルリモートというスタイルを選んだのは、僕自身がこれまでの就業経験でリモートワークが多く、いろいろな場所で仕事をすることで、常に新鮮な気持ちで仕事に取り組め、集中力が上がることを実感したからです。このような働き方のノウハウを蓄積し、新たな事業を創出していくことで、日本全体の活性化に貢献できるのではないかと考えています」
 

 

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フランクに、スピーディに
情報をやりとりできる

 フルリモートだからこそ、文字ベースのコミュニケーションの重要さは痛感しているという民輪氏。なぜ社内のやりとりをチャットで行っているのだろうか。
「チャットの魅力は、フランクな雰囲気でスピーディに情報伝達が行えるところです。『お世話になります』『お疲れさまです』といった前置きなしに目的を必要最低限の文字数で伝えられるし、相手からもすぐにレスポンスをもらえます。スタンプ1つでニュアンスを表現することもできます」
一方メールの特徴について、民輪氏はこんなふうにまとめる。
「メールは文章が長くなりがちで、ダイレクトに言いたいことを伝えるのに一種のスキルが必要です。私も学生ベンチャーを立ち上げた頃は、『メールの文章が回りくどい』と注意を受けたことがあります。また、自分が送ったメッセージがいつ読まれているのか、把握もできないので、ジレンマが起きてしまいますね」
スピーディにタスクを進めたいと思うからこそ、相手からリアルタイムでの反応がないのは、より強くストレスを感じてしまうのかもしれない。また、民輪氏のチャットのメリットについて次のようにつづけた。
「たくさんのプロジェクトに関わっている立場からすると、プロジェクトごとにメールを分類するのも手間がかかります。しかし、チャットなら業務別に分けることもできるし、プロジェクト別に結成しているチーム内のコミュニケーションにもとても適していると思います」
つまり、リアルタイムな相互コミュニケーションが可能なことがチャットのメリットであり、タイムラグができやすいことがメールのデメリットだというのだ。
 

民輪 一博(Tamiwa Kazuhiro)

K.S.ロジャース株式会社代表取締役。京都大学大学院工学研究科電気工学専攻卒業。学生時代に学生ベンチャーを立ち上げ、卒業後にもAI系スタートアップに参画した後に、2017年にK.S.ロジャース株式会社を設立。政府機関や大手企業のシステム開発などを手がける。現在、リモートワークでのマネジメントに取り組む中間管理職を対象にしたサポートツールを開発中。

K.S.ロジャース株式会社
「エンジニアにとって最も働きやすい環境を作る」をミッションに掲げて2017年に創業。WEB・アプリケーションの新規開発・運営支援、CTOコンサルティングなどを手がける。従業員である約70名のエンジニアがフルリモート勤務を行い、「フルフレックス・雇用形態の切り替え自由・副業自由」というフレキシブルな働き方を実現。

文/横堀 夏代
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