リサーチ

2020.05.13

企業理念への共感が、ワークエンゲージメントに影響

共感度が高いほど、日々の業務における意識や充足感もアップ

2018年11月、むすび株式会社は『ビジネスパーソンの企業理念に関する意識調査』を実施し、全国のビジネスパーソン男女410人から有効回答を得た。調査結果には、「企業理念への共感度」と「ワークエンゲージメント」の、興味深い関係性があらわれていた。

近年、ワークエンゲージメント(work=仕事、engagement=絆、愛着心、思い入れ)という言葉がよく聞かれるようになった。従業員と仕事に対する精神的な充実度を示す言葉として使われている。
むすび株式会社が実施した『ビジネスパーソンの企業理念に関する意識調査』では、勤務する会社の企業理念に対する意識とともに、仕事や会社への満足度等が問われており、企業理念への共感度がワークエンゲージメントに与える影響を読み取ることができる。
※企業理念とは、会社が最も大切にする基本的な考え方のこと。会社の方針や方向性に加えて、社員の行動規範等の文言が含まれることも多い。
 
調査によると、自社の企業理念に「共感している」と回答した人は50.7%。さらに、「企業理念を知らない」、「企業理念がない」と回答した人を除く346人を対象に、日々の業務の中で企業理念を意識しているかを聞くと、66.8%が「意識している」と回答した。
 
 
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下図は「企業理念への共感度」と「日々の業務における企業理念への意識の関係性」を示したもので、色が濃いほど業務中の企業理念への意識が高い。縦軸と照合すると、共感度が高い層ほど青色の割合が高くなっている。つまり、企業理念を意識して仕事をする人が多くなっていることが明確にわかる。企業理念に「全く共感していない」層では、「意識することはない」が8割以上にのぼっている。
 
しかし、「どちらかというと共感していない(18.5%)」層では、青色が極端に少ないということはなく、「時々意識している」が半数以上、「常に意識している」も6.6%いる。あまり共感はできないが、企業理念を念頭に置きながら業務にあたっている「割り切り型」のビジネスパーソンが、1割強存在していることがわかる。
 
 
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「自らの仕事が世の中の役に立っていると実感していますか?」という質問では、「とても実感している」と「どちらかというと実感している」の合計が、全体では59.3%だった。そして、企業理念への共感度が高いほど、その数値は上昇している。「とても共感している」層は96.6%と突出しており、「どちらかというと共感している」層でも76.7%が自身の仕事が「世の中の役に立っている」と感じている。
「どちらかというと共感していない」層は、「とても実感している」、「どちらかというと実感している」の合計が48.1%。「全く共感していない」層では合計19.7%と大幅に数値を下げるが、企業理念への共感度が低くても、自らの仕事に充足感を抱いている人はいる。
 
 
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近年の若手ビジネスパーソンは、仕事に必ずしも「やりがい」を求めず、「収入を得る手段」と割り切って考える側面があり、「よほど自分に適性のない仕事でない限りは、どんな仕事でもいい」と考える人も、少なからず存在しそうだ。(参考記事:『管理職世代とデジタル世代の“価値観”ギャップ』)
 
調査では、「企業理念にあまり共感はしていないが意識して仕事をしている」という層も1割強存在していたし、企業理念への共感度が低くても、自らの仕事内容を「世の中に役立っている」と感じている人は、意外にも多い印象だった。
 
しかし、企業理念への共感度が高いほど、日々の業務中の意識や充足感が高まるという現象は明確にあらわれており、企業理念への共感とワークエンゲージメントには一定の関連性があることがわかった。
「自分の仕事にやりがいが感じられない」という項目は、転職理由としてもしばしば挙げられる。やりがいを感じながら働ける企業を選択したいと思ったときには、企業理念が重要な判断要素の一つになってくるのではないだろうか。また、企業側は社員に対して、企業理念を広く浸透させることや、共感を得られるようにするための施策を講じる必要があるだろう。
 
 
作成/MANA-Biz編集部
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