リサーチ

2019.09.13

管理職世代とデジタル世代の"価値観"ギャップ

令和時代の上司・部下の歩み寄り、飲み会もSNSもNG?

上司と部下の意志疎通の困難さが注目されている。しかしその解決は、各個人の裁量に委ねられているのが現状である。そこで、人財サービスのグローバルリーダーであるアデコ株式会社が実施した「仕事に対する考え方やコミュニケーションに関する意識調査」をもとに、“価値観ギャップ”の埋め方を考察した。

人材派遣、人材紹介、アウトソーシング等の各種人材サービスを提供するアデコ株式会社は、学生の頃からインターネットやパソコンが身近にある中で育ってきた“デジタルネイティブ世代(以下、デジタル世代)”と、デジタル世代の部下を持つ“管理職”を対象に、仕事に対する考え方やコミュニケーションに関する意識調査を実施した。
「仕事の目的とは何か」という設問については、デジタル世代と管理職のどちらも「収入を得るため」という回答が95%以上と最上位となった。また、「社会的に自立するため」という回答でも世代間の乖離は少ない。しかし、それ以外の項目については、デジタル世代の数値が総じて低い。デジタル世代は「収入」「自立」といった現実的な部分以外には極端に関心が低いと考えられる。
 
 
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「仕事をするうえで重視していること」という設問に対しては、管理職、デジタル世代ともに「安定して働けること」「職場の雰囲気・人間関係が良いこと」など、良好な労働環境を求める意識が共通している。それ以外の項目については、総じて差が大きくなっている。その中でも「残業が少ないこと」「休暇を取りやすいこと」という回答では、デジタル世代の数値が極端に高かった。デジタル世代は管理職よりもプライベート重視型で、「仕事は収入を得る手段であり、自分のやりたいことはプライベートで」という割り切った考え方で仕事をしていることが伺える。また、「自分の能力や個性を生かせること」の設問では、管理職が高い数値を示しており、仕事を自己実現の手段であると考える人が多いことが推測される。
 
 
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仕事への満足度は、総じて管理職のほうがデジタル世代よりも高い。デジタル世代は仕事に対して「収入」以外のモチベーションが低いという結果からも、仕事に不満を持っているというより、満足してなくても「収入が得られれば良い」という達観もあると推測される。
 
 
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続いて、デジタル世代が抱く理想の上司像と、管理職が20代だった頃に理想的だと思っていた上司像を比較する。デジタル世代では「仕事で困った事について相談に乗ってくれる」がトップにランクイン。一方で、「挑戦しがいのある仕事を任せてくれる」が最も低くなっており、挑戦を支援してくれる上司より、相談に乗ってくれる上司を好む傾向にある。ここでも、仕事へのやりがいよりも、人間関係を重視するデジタル世代の特徴が現れている。
 
 
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仕事に対するモチベーションや、充実感を得るポイントは、世代間で大きく異なる部分が大きい。管理職はデジタル世代との価値観ギャップに悩みながらも歩み寄りの糸口を探しているが、そのコミュニケーション手段にも世代間ギャップは存在している。「上司や先輩からのコミュニケーションで好ましくないと感じているもの」の設問と、「デジタル世代とのコミュニケーションで心がけていること」の設問の比較から、飲み会やランチなどプライベートな時間を使うコミュニケーション手段はデジタル世代に不評である。イマドキ風にSNSを駆使しようとしても、残念ながらそれも不評となっている。あくまでも「プライベートに侵入されたくない」ことを最優先にするデジタル世代の姿勢がみられる。「自分の意見を聞いてくれる」「ほめられる」「ミスをしても叱られない」など、仕事におけるストレスが少ないことが、デジタル世代が最も重視するポイントであると言える。
 
 
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上司と部下の「価値観ギャップ」はいつの時代にも存在する。一昔前と違うところは、上司の「イマドキの若い者は!」という圧力に対し、「上司は全然わかっていない!」と不満を抱きながらも、表面上は部下が上司に従うしかなかった時代が終わり、上の世代が歩み寄る時代になってきたことである。世代間ギャップを埋めるためには管理職側の「割り切り」が求められそうな結果となったが、共通点も少なからずある。デジタル世代からも歩み寄ることで意外な共感が生まれ、より良い職場環境が生まれるのかもしれない。
 
参考記事:「世代が違えば魅力も変わる?すごい能力、足りない能力-どう見ている?上司の強みと部下の伸びしろ-」
https://www.mana-biz.net/2019/05/post-372.php
上司と部下の共通点・相違点のほか、歩み寄りとコミュニケーション円滑化のヒントになりそうな、各世代の特長が具体的に挙げられている。
 
 
 
作成/MANA-Biz編集部
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