リサーチ

2019.04.05

平成のほどよいシゴト、ほどよい残業

時間で見るビジネスパーソンの意識変化

シチズン時計株式会社が実施しているアンケート調査、「ビジネスに関する『ほどよい時間』」で、平成元年と平成30年の調査結果の違いが発表された。調査結果からはこの30年でのビジネスパーソンの意識の変化がうかがえる。世の中の変化と心の変化、その関連を読み解いてみよう。

ほどよいと感じる会議時間や残業時間は男女ともに短縮傾向。これは近年の働き方改革で業務の効率化が進み、実際に会議時間も残業時間も短くなっていることから、ビジネスパーソンが「ほどよい」と感じる時間にも変化が生じたことに起因すると考えられる。
職場の環境変化では、PCの普及に伴いメールの一斉送信などで、事前の情報共有が徹底されるようになった。また、テレビ会議などが取り入れられ、遠隔地からの参加や日程調整も容易になっている。こうしたIT化によって会議のスムーズな進行が可能になったことが影響しているのであろう。
 
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残業時間では、男女の意識差が縮まってきていることが見て取れる。これは働き方改革の影響はもとより、女性の社会進出に伴いワーキングマザーが増えたことで、組織として早く帰りやすい風土づくりが進んで来たことを反映しているのではないだろうか。
 
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平成元年といえば好景気でバブル真っ只中。忙しいけれども働いた分だけ給料が上がる時代なら、長時間に及ぶ会議や深夜残業も意に介さない向きもあったと想像できる。それに対し、バブル崩壊以降の平成不況をくぐり抜けて来た世代は、稼ぐことより節約へと意識がシフトし、仕事へのモチベーションも出世や収入より当人のやりがいや社会貢献などに変化しつつある。こうした社会情勢もビジネスパーソンの意識に影響しているのかもしれない。
 
しかし、この調査はあくまで「ほどよい」と感じる理想的な時間であり、実際の会議時間は「ほどよい」時間をオーバーし、月の残業時間も産業全体の平均で14時間を上回っているという厚生労働省の統計結果が出ているほどだ。ビジネスパーソンの意識が高まるほどに、理想と現実とのギャップが大きくなり、モチベーションにも影響しかねないだろう。
 
働き方改革の第一段階とも言える意識改革は進んでいるのかもしれないが、掲げる目標が絵に描いた餅で終わらぬよう、取り組みのさらなる深化が求められているのではないだろうか。
 
作成/MANA-Biz編集部
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