リサーチ

2018.11.14

副業でリスクヘッジ? イマドキ世代のスラッシュキャリア

自由な働き方を求める若者の本音とは?

複数の仕事・活動を掛け持ちする「スラッシュキャリア」が新しい働き方として注目を集めている。この動きを牽引するのが「ミレニアル世代」と呼ばれる若年層と考えられている。ジャパンネット銀行がミレニアル世代(18-25歳の若者)を対象に実施したスラッシュキャリアについての意識調査から、従来の働き方にとらわれない彼らの仕事観が見えてきた。

 

※ミレニアル世代/1980年代から2000年代初頭までに生まれた人をいうことが多く、インターネットが普及した環境で育った最初の世代。今回の調査では18-25歳の若者を調査対象としている。

スラッシュキャリアとは、スキルや経歴、肩書などを一つに限定せず、複数の仕事・活動を掛け持ちしながら、多方面で仕事をするキャリア形成の方法。SNSなどにおいて「モデル/料理研究家/母親」のように、肩書きをスラッシュでつないで表すことに由来する。これからの社会で「スラッシュキャリアは今後広まると思う」と答えたミレニアル世代の回答者は約7割に上り、彼らのスラッシュキャリアに対する肯定的な姿勢が見て取れる。スラッシュキャリアの肩書きには仕事だけではなく、アーティスト活動やボランティアなどの多彩な活動が含まれる。多くの若者が本業以外にもいろいろな活動をすることに人生の豊かさを見出したいと考えているのではないだろうか。
 
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ミレニアル世代がスラッシュキャリアに肯定的な理由として考えられるのが収入面での志向だ。親世代と比べても「複数の収入源を持ちたい」「仕事を掛け持ちした方が稼ぎやすい」「本業1本で収入を得るのはリスク」との志向が高いことがわかる。
 
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アメリカでは社会や消費のあり方に大きな影響を与える世代として注目されるミレニアル世代。日本における今回の調査でも、これからの社会を牽引していく世代のキャリア形成への柔軟な考え方が浮かび上がった。一方で彼らがスラッシュキャリアを望む背景として、金銭面でのリスク分散を考えていることも見えてきており、ミレニアル世代の将来の収入に対する不安も垣間見えた。バブル崩壊や2008年のリーマン・ショックを端緒とした金融危機など、厳しい経済環境の中で育ってきた世代ならではの危機意識が働いたのだろうか。今後はスラッシュキャリアにより複数の収入源を持つことで、自分らしさを大切にしながら金銭面の不安を払拭していく新しい働き方が増えていくのかもしれない。
 
 
(出典)ジャパンネット銀行調べ「仕事・働き方に関する意識・実態調査

 

 

作成/MANA-Biz編集部