ビジネスシーンで要注意ワード

2018.11.26

うっかり忘れや遅刻の 「確信犯」はあり得ない

本日のチェックワード 72「確信犯」

「リーダーは納期をうっかり忘れていたっていうけど、確信犯としか思えないよ」

「今日の17時までに」といきなり仕事を頼んできた上司に対して、上記のようなグチをこぼしたくなったことはありませんか?
「確信犯」は、「道徳的・宗教的・政治的な信念をもち、自分が正しいと確信して違法行為を行うこと」を指して使います。ここでのポイントは、「自分の行動が違法だと思っていないこと」です。しかし近年は、「確信犯」という言葉が「間違っていると確信しつつ犯罪を行うこと」と誤解する人が増えています。刑法的な犯罪だけでなく、うっかり忘れや遅刻などの日常的なミスにおいて使われることも多くなっています。
 言葉の本来の意味から考えると、上記のケースは「リーダーは信念に基づいて、それが悪いことだと思わずにいきなり仕事を振ってきた」といったニュアンスになります。いくらリーダーが部下の成長を願っていたとしても、確信に基づいてうっかり忘れを装いながら仕事を振る状況は考えにくいもの。信頼できる同僚にそっとぼやくなら、「ギリギリに振ってもなんとかなると思っているんだよ」ぐらいが適切です。

この使い方ならOK

・業界の悪習を絶つために、確信犯で社則に背く覚悟です。

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。

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