コーチング

2017.03.29

「GROW」の手順で、部下がどんどん成長する

コーチング8:“成長”のステップを踏んで、コーチングを進める

したいこと、できること、すべきこと、
3つのバランスを考えてゴールを設定

コーチングは、やみくもに進めても機能しません。「GROW」と呼ばれる5つの手順を踏むことで、部下の成長を促すことができます。

ゴールの設定(Goal)
現状の把握(Reality)
資源の発見(Resource)
選択肢の創出(Option)
意志をもった行動計画(Will)

しかし実際は、なかなかこの通りに進みません。たとえば選択肢を出したあと現状の把握に戻るなど、5つの間を行ったり来たりします。だからこそ、常に理想の設計図である「GROW」と照らし合わせることで、自分たちは今どの段階にいて、次は何を行うべきかがわかるのです。


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では、「GROW」の手順をひとつずつ見ていきましょう。
コーチングを始めるには、まずゴールを設定します。ゴールは、②の「現状の把握」と照らし合わせながら決めていきますが、部下の「したいこと」、「すべきこと」、「できること」を考えるのがポイント。3つの重なる部分が「やりがいのある仕事」であり、上司は3つのバランスを取りながらゴールを設定します。


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よく、できることをゴールにするケースが見られますが、これでは他の2つが拡がらず、いつまでも小さい範囲で仕事をすることに...。3つをどれだけ大きくできるかが、上司の腕の見せどころです。
また、ゴールの設定では、「なにを」、「いつまでに」、「どの程度」、という3要素も具体的に決めてください。



岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)

大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。

イラスト/海老佐和子