チェックワード

2017.01.23

感謝の気持ちは「助かりました」ではなくほかの表現で

本日のチェックワード 34「助かりました」

A先輩「備品の補充、やっておいたよ」
B後輩「助かりました! 近日中にやらなければと思っていたので」

相手の配慮や骨折りに対する感謝の言葉として、『助かりました』という言い方をする人が目立ちます。部下や後輩に対して使うなら問題ないのですが、先輩や上司、取引先に向けて使うのは失礼にあたります。なぜなら「助かる」という言葉の中には主従関係のニュアンスがあり、このケースでいうと「自分が主、先輩が従」と考えているように見えてしまうからです。感謝の気持ちは、「助かる」を用いずに表現した方がベターです。

この使い方ならOK

・ありがとうございます。次回からは私が責任持ってやらせていただきます。
・ご協力いただき、事なきを得ることができました。感謝しております。

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。