コーチング

2017.01.18

部下の成長は、上司の器の大きさに比例する

コーチング6:自分の価値観の枠を広げ、部下を「承認」する

みんな違って当たり前
「違い」は「間違い」ではない

人は自分と違う考えを「間違い」と思いがちですが、人は皆、違って当たり前。コーチングでも、上司は部下との違いを受け入れ、部下の存在価値を認めること=「承認」のスキルが求められます。
人には自分の価値観の輪があり、その輪から外れた人を「非常識」とみなします。職場では上司が部下を自分の輪に引き込もうとしますが、これでは抵抗されるだけ。上司は自分の価値観の輪を広げ、部下の価値観を包み込んであげることで、はじめて部下を認められるようになるのです。価値観の輪の大きな人を「器の大きな人」と言います。 


肯定的ストロークで
部下のやる気がどんどん育つ

部下を承認するには、「ストローク=他者への働きかけ」が重要。ストロークには次の2つがあります。

●肯定的ストローク
笑顔を向ける、挨拶する、名前を呼ぶ、ほめる、目を合わせる など
●否定的ストローク
批判する、けなす、馬鹿にする、責める、悪口や皮肉を言う など

人は肯定的ストロークを与えられると、やる気が出ます。しかし、無意識のうちに否定的ストロークばかり投げかけてしまう管理職の方も多くいるのではないでしょうか。まずは、自分が普段どちらのストロークを与えているか振り返りましょう。「でも」「だって」「どうせ」が口グセの人は、否定的ストロークが習慣になっている可能性大です。
また、人は肯定的ストロークが与えられないと、否定的ストロークでもいいから得ようとし、無意識のうちに相手を困らせることもあります。部下が反抗的なのは、上司の肯定的ストロークが不足しているせいかも......。その場合、注意や指導ではなく、肯定的ストロークを与えることで部下の態度が改まることもあります。



岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)

大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。

イラスト/海老佐和子