コーチング

2016.11.28

あなたの「質問」が、部下の成長度合いを決める

コーチング5:「質問」のテクニックで、部下の考える力をサポート

「Why=なぜ?」という問いかけは
質問ではなく、部下を責めている

「5W2H」で注意したいのは、「Why=なぜ」という質問。人は「なぜ」と質問するとき、純粋に理由を知りたいのではなく、自分の求めていることができない相手を責めているケースがほとんど。「なぜ」と言いたくなったら、いったんブレーキをかけ、「What」や「How」に言い替えましょう。
例えば「なぜミスをした?」という質問は、「今回のミスの原因は何だと思う?(What)」、あるいは「このようなミスを起こさないためにはどうしたらいい?(How)」などと言い替えます。そうすると、部下はミスをしても前向きに改善策を考えられるのです。



コーチングは医者と同様
問診(質問)なくして診断(解決)なし

医者は話を聴く専門家。問診することで診断ができ、処方箋が書けます。問診なくして診断なし。コーチングも同じです。①~③のように、医者が問診する流れで質問していきましょう。

現状確認(症状を聴く)
原因分析(原因を探る)
解決策検討(対処法を見つける)
※②と③に選択肢を出す質問や判断を促す質問を追加

もうひとつのポイントは、部下の発言が漠然とした内容だったら、砕いて細かくする質問をし、手に負えるサイズにする(=チャンクダウン)、逆に細かすぎる内容なら、少し大きな塊にまとめる質問をする(=チャンクアップ)こと。
例えば「コミュニケーションの問題です」という漠然とした発言には、「誰と誰の間の、どんな情報のやりとりの問題?」と内容を細分化する質問を。すると「私と上司の間の業務命令に関する問題です」という内容が明らかになり、解説策が見えてきます。
このように、さまざまな質問のテクニックを駆使することで、部下は自らの力で答えを導き出せるようになるのです。

岩本 好之(Iwamoto Yoshiyuki)

大学卒業後、国内金融機関で営業、営業企画、IT、人事など幅広い領域で実務とマネジメントを経験。米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社で、数多くのシックスシグマ手法による問題解決プロジェクトの推進、成果実現、および人材育成に携わる。大手金融機関にスカウトされ、教育部門の責任者として全社的な経営品質改善活動の推進、経営戦略から見た教育ニーズの整理、および各種研修の企画立案、実施等に従事する。現在は、企業研修、セミナー講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー、基礎心理カウンセラーの資格を有し、コーチング・カウンセリングにも取り組む。

イラスト/海老佐和子