リサーチ

2016.10.21

パソコンを取り巻く状況が激変!

加速する“パソコン離れ”と今後求められるパソコンとの関係とは

スマートフォン、タブレットの普及により、若者のパソコン(ディスクトップ・ラップトップ)離れが加速しており、パソコンが使えない大学生が増えている。パソコンの売上も落ち込んでおり、今後は職場でもパソコンの位置づけは変わってくるかもしれない。

内閣府政策統括官による「平成27年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果」では、10〜17歳までの青少年がインターネットを利用する機器は、スマートフォンが46.2%でトップ、続いて携帯ゲーム機が22.6%、ノートパソコンが20.3%、タブレットが17.5%だ。保護者世代では、インターネットを利用する機器は、スマートフォンが77.4%と圧倒的多数派、次はノートパソコンで46.5%、3位がタブレットで22.1%であった。 使用機器の傾向として、青少年では10〜12歳で携帯ゲーム機、13〜17歳でスマートフォンによるインターネット利用が多い。また保護者では、年齢が低い保護者ほどスマートフォンによるインターネット利用が多く、パソコンによる利用が少ない状況にある。若い世代であればあるほどスマートフォンの使用に傾き、パソコンの使用頻度は減るようだ。
 
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パソコン使用の減少傾向は、市場の数値にも顕著に表れている。一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の調べによると、2015年度のパソコンの国内出荷実績は、711万台で、前年比22.6%減と大幅に縮小した。2012年度と比較してみると、実績の1115万台から36.2%減で、3分の2の規模にまで減少したことがわかる。これは日本だけでなく世界市場も同様に減少している。米IDCが今年1月に発表した調査では、2015年の世界パソコン出荷台数は2億7620万台で、前年から10.4%減少している。世界的にパソコン利用が減っているのだ。
 
現在、職場ではパソコンは必須のツールだ。だが、出先でスマートフォンからメールを確認、送信したり、電車内でタブレットを使って資料を確認したりと、その他のデバイスもビジネスの場にかなり浸透してきている。しかし、パソコンの機能の一部がそうしたデバイスに取って代わられても、パソコンの利用がなくなることはまだないだろう。マイクロソフト・オフィスやadobeのクリエィティブ・ツールといった高度なドキュメント編集は、パソコンでの作業が必須だ。簡単な書類作成ならタブレットでも可能かもしれないが、書類全体を見渡す必要のある作業や、細かな調整が求められる資料作成はある程度大きな画面でキーボードやマウスを駆使して作成ができるパソコンのほうが、快適に作業ができる。画面が小さく機能も限定的なスマートフォンやタブレットではまだまだ分が悪い。また、現状では対応する業務用ソフトが断然多いことや、メモリの増設、HDDの増量、あるいはSSDへの換装といった拡張性の高さも、パソコンならではのメリットだ。
 
ただし、パソコンもスマートフォンもタブレットも、所詮仕事をする「ツール」であって、大事なのは仕事を効率的に正確にすること。様々な手段がある中、場合に応じて最適なツールを使い分けることが大切だ。
 
とはいえ、「パソコン離れ」の状況がさらに進めば、将来、パソコンにほとんど触れたことのないような、「パソコンに不慣れな新入社員」が増えてくるのかもしれない。その場合、IT黎明期のように、パソコンを一から教える研修が必要になってくる可能性もあり、例えばかつて流行った「パソコン教室」が若者向け研修として再びニーズが高まるということも考えられる。また、逆に技術向上によってパソコンと同等の作業性能や拡張性を持ったタブレットが登場した場合、それらをどのように導入するかを検討することも、企業の課題となってくるだろう。
 
 
(出典)内閣府「平成27年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)「2015年度パーソナルコンピュータ国内出荷実績」をもとに作成
作成/MANA-Biz編集部
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