プレゼンテーション

2016.09.02

本当に伝えたいことだけに「絞り込む力」を磨く

プレゼンテーション1:プレゼンでは「何を言うか」より「何を言わないか」が大事

聴き手が理解できる話の量は
どのくらい?

皆さんが日々行っているプレゼンの持ち時間はどのくらいの長さでしょうか。例えば、持ち時間が20分だったとします。その場合、いくつのメッセージを伝えようと考えるでしょうか。

「う~ん、いろいろあるけど10~20個くらいあるかなあ」と思うかもしれません。
ところが、プレゼンの聴き手はこう考えています。

・話の結論は1つにしてほしい
・そのための説明も多くて3つくらいに絞ってほしい

「いろいろ伝えたい」と意気込むプレゼンターと、「多くて3個」を期待する聴き手側。プレゼンにおける最も大きな壁は、この「言いたいこと(伝えたいこと)」と「聴きたいこと」の量のギャップだと言っても過言ではありません。



情報を絞り込んで伝えよう

プレゼンにおいて一番重要なのは、言いたいことを絞り込むことです。情報を氾濫させたまま、ただダラダラとプレゼンを行っても相手は理解できません。言いたいことがいろいろあったとしても、それを構造的に考え整理し、情報を絞り込んで伝えることが重要です。

「そうは言っても、言いたいポイントはどれも大事なので、20分でも時間が足りないくらいだ」。そう思う人もいるかもしれません。

しかし、例えば1時間のテレビの情報番組やニュースの場合、1つのコーナーは10分程度でしょう。その中で、かなりの情報が盛り込まれていますし、別に急いで説明しているなという印象も受けません。番組を作っている人は、数多くの取材の中から、何を伝えれば良いかを選び出すプロフェッショナルなわけです。

さすがに、そこまでは難しいとしても、プレゼンをする人も同じように「何を言って、何を言わないか」を整理し情報を絞り込む必要があります。聴き手の理解のキャパシティーは、それほど広くはありません。

言うべきことを拾い出す力より、言いたいこと絞り込んで、本当に伝えたいこと以外を捨てる力。これを磨くことが、プレゼン上達のキモだと言えるでしょう。


下地 寛也(Shimoji Kanya)


コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)



イラスト/海老佐和子