リーダーのためのマナー

2016.08.23

「部下にほめられること」を目指した時点でリーダー失格

リーダーのためのビジネスマナー2:自己肯定感を持てる行動を

その場の損得や
心地よさに流されない

リーダーとは大変な役割です。立ち居振る舞いからファッション、行動のすべてを「今の自分は一流のリーダーか」という観点のもとに決めていく必要があるからです。ときには、「どうすれば一流のリーダーの行動になるだろう?」と迷う場面に出くわすこともあるでしょう。
そのときの指針にしたいのが、自己肯定感です。どんな決断をするにしても、後で「こうしてよかった」と思える行動をするということです。自分の損得を考えた行動や、「ラクだから」という理由だけで選んだモノは後悔を生みやすく、自己肯定感にはつながりません。
 
 
 

リーダーの自信に満ちた行動が
部下を安心させる

ここで注意したいのが、何事もあくまで「後になって『これでよかった』と思えるか」と自分の感覚にしたがって決めることです。つまり、「部下がどう思うだろう?」という他人目線を持ち込もうとしないことです。
リーダーは手本になる必要はありますが、それはほめられようとするのとは根本的に違います。他人の軸で行動する人の根底にあるのは、「嫌われたくない」というおびえです。リーダーがおびえていると、部下の心にも「うちのチームは大丈夫かな」という不安が芽生えます。迷ってもいいから自分基準で考え、自己肯定感をもてる選択をしていきましょう。
 
自己肯定感は自信につながります。自信をもって行動するリーダーに、部下はついていきたくなるのです。
 

中谷 彰宏(Nakatani Akihiro)

早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂でCMプランナーとして活躍ののち、91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス・恋愛・教育・自己啓発など多彩なテーマで執筆活動を行い、多くのベストセラー・ロングセラーを出版。また、「中谷塾」を主宰し、一流のリーダーをめざすビジネスマンに向けて全国でワークショップや講演会を行っている。『なぜあのリーダーに人はついていくのか』(ダイヤモンド社)、『部下をイキイキさせるリーダーの技術』(リベラル社)など著書は1000冊を超える。 【中谷彰宏公式サイト

イラスト/吉泉ゆう子 写真/為広麻里