組織の力

2016.07.04

「働きがいのある会社」調査から見える、成長企業の法則〈後編〉

「働きがい」の根底にあるものは?

世界49か国で行われている「働きがいのある会社」調査からは、企業が変化の大きい社会を生き抜くためのヒントが見えてくる。日本でこの調査を手がける機関Great Place to Work®Institute Japanの今野敦子シニアコンサルタントに、「働きがいのベースにあるものは何か」「どうすれば働きがいのある職場が実現するか」「職場の働きがいは企業の成長とどう関わってくるのか」などをお聞きした。

「働きがいのある会社」の従業員は
「職場に行くのが楽しい」と感じている

Great Place to Work®Institute Japanでは2007年以降、「働きがいのある会社」調査を実施し、日本におけるランキングを発表している。GPTWの今野敦子シニアコンサルタントによれば、調査で一定水準を満たしていると認定された企業(GPTWでは「ベストカンパニー」と総称)には、ある共通項がみられるという。従業員に対するアンケート中に「仕事に行くことを楽しみにしている」かどうかを問う設問があるのだが、ベストカンパニーではこの設問に高い評価をつけた人が多かったのだ。
 
「実はこの設問に関して、日本の従業員は総じて低い評価をつける傾向があるのです。日本人は仕事における『楽しい』とプライベートでの『楽しい』を分けて考える場合も多く、そこが低評価につながっているのかもしれません。にも関わらず、日本のベストカンパニーの結果をみると、この項目の評価が高い企業が目立ちます。つまり日本の場合でもベストカンパニーでは、従業員が仕事を心から楽しみ、働きがいを感じながら生き生きと活躍していることになりますね」
 
「働きがいのある会社」ランキング上位のベストカンパニーにみられる共通の特徴を、さらに詳しくみていこう。GPTWの分析からは「マネジメント(管理・経営側)と従業員との間に信頼があり、従業員が自分の仕事や会社に誇りを持ち、従業員同士に連帯感がある職場」という会社像が浮かび上がってくる。なかでも重要なのは『信頼』という要素だと今野氏は語る。
 
 
 
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「私自身もベストカンパニーを訪問する機会が多いのですが、いずれの企業をみても感じるのは、経営・管理側と従業員との間に確かな信頼関係があるということです。信頼関係があれば、会社は失敗をおそれずチャレンジすることを従業員に促したり、長期の有休を認めたりして、柔軟で創造的な働き方を奨励します。その結果、従業員は会社に信頼されている実感を得ながら、ワークライフバランスを大切に働くことができます。ここが『楽しさ』にもつながると考えられます。その循環によって、従業員一人ひとりのやりがいや楽しむ気持ちが育つはずです」
 
 
文/横堀夏代 撮影/ヤマグチイッキ
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