仕事のプロ

2016.06.09

起業家に学ぶ アイデアを生み出す思考術〈前編〉

“スタートアップ・ローンチ・プログラム”を知る

近年、アメリカを中心に、立ち上げから短期間で急成長する企業が注目を 集めている。このような企業を生み出す背景の一つとしてあるのが、起業家を育成し、事業の立ち上げまで支援する、スタートアップ・ローンチ・プログラムだ。いったいどのようなプログラムなのだろうか?その内容を探り、そこで行われているアイデアを生み出す思考術を学ぶべく、プログラムを提供するスタートアップアクセラレーターの一つ、Founder Institute(ファウンダー・インスティテュート)東京ディレクター奥田聡さんにお話しを伺 った。

経験・資金・人材が循環する
社会システムの構築を目指す

Founder Institute(ファウンダー・インスティテュート)(以下FI)は、新しい企業の立上げを次々と成功させているシリアルアントレプレナーのアデオ・レッシ氏により、2009年にアメリカのシリコンバレーで設立された。以来、全世界で支部を展開し、現在では世界110の都市でスタートアップ企業のリーダーを育成し、ビジネスの立ち上げを支援している。日本では2014年には東京支部が開設され、現在は3期目のプログラムが進行中だ。
 
「FIは、“シリコンバレーのエコシステムのグローバライズ”をビジョンに掲げています。シリコンバレーにはスタートアップ企業が多数存在します。そして、大きく成長したスタートアップ企業が“経験・資金・人材”を次世代のスタートアップ企業に循環させ、その支援をもとに新たなスタートアップ企業が成長する、というエコシステムが風土としてあります。このエコシステムを世界中に広げ、価値ある永続的企業の立ち上げを支援する“スタートアップアクセラレーター”であることが、FIのポリシーでありビジョンです。日本でも、こうした考え方や意識を浸透させていきたいと考えています」
 
 
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起業への熱意と適性が試される
実践的なトレーニングの場

FIのプログラムでは、起業の成功率を上げるため、優れた人材の選抜、実践的な訓練、チームワークの3つを重視している。プログラムは非常に厳しいことで知られており、東京支部でこれまでにプログラムを完遂したのは参加者の約4割の12名のみ。「起業への熱意と適性、いずれが欠けても修了できません」と、奥田さんは言い切る。育てる方も本気なのだ。
 
まず、第一関門として、プログラムの応募者は「予備テスト」を受ける。これはFIが大学の社会科学者と共同開発したテストで、認識力や性格、社会経験など、起業家としての適性を判定する。この時点で適性がないと判断されると、プログラムへの参加は認められない。では、起業家としての適性があるのはどのような人なのだろうか。
 
「まずは、高い認識力を持つ人です。ビジネスの現場では、常に変化する環境や行った施策の結果を認識し、瞬時に対応しなければなりません。知識やIQではない、“ 物事の本質となるルールやパターンへの認識力、または洞察力 “ といったものが求め られるのです。性格的には、自分と異なるものへの許容力があることも重要です。例えば、ビジネスパートナーに対しては、思いやりや協調性を持ちつつ、必要に応 じて率直かつ厳しく接することが求められます。また、新しい物事にオープン であることも不可欠です。新しい経験や知識を追求し、チャレンジ精神や好 奇心が旺盛であることは、起業家の本質でもあります。さらに、プロとしての社会経験も重要です。学生起業家というのももちろんいますが、専門分野の知識と企業での実務経験があった方が、よりうまく、早くビジネスを立ち上げることができるでしょう。高い認識力、適度な許容性、高いオープン性、プロフェッショナルとしての経験に加え、日々の生活や仕事の中で疑問や課題を感じ、自分のビジネスアイデアを通してそれを解決したいという思いが強い人は、より成功確率が高い。そういう人を、選抜していこうという考えです」
 
 
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予備テストをクリアすると、3か月半、全14回のスタートアップ・ローンチ・プログラムに参加する。週1回のセッションに加え、さまざまなアサインメントが課されるのが特徴だ。自分のビジネスアイデアをどうかたちにしていくか、起業に結びつけるかを実践的に学ぶ、まさに訓練の場となっている。
 
 

ファウンダー・インスティテュート(Founder Institute)

シリアルアントレプレナーのアデオ・レッシ氏により、2009年にアメリカのシリコンバレーで設立された世界最大級のスタートアップアクセラレーター。シリコンバレーのグローバル化を目指し、世界60カ国110都市に支部を展開(2014年東京支部開設)。これまでに2,000社以上のスタートアップ起業の立ち上げと15,000人以上の雇用の創出をサポートしてきた。 【Founder Instituteについて詳しく知りたい方はこちらまで】 株式会社プライムスタイル 代表取締役奥田聡     Tel:03-6685-0022 email:info@primestyle.co.jp

文/笹原風花 撮影/石河正武
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