リサーチ

2016.05.27

ものづくりの前に、 "ひと" づくりを!?

ものづくり企業における人材育成の重要性

世界に誇る日本のものづくり。それを支えるのは中小企業の技術者たちである。しかし、肝心の人材育成に手が回らないというが…。

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グローバル経済における産業競争力の強化のため、政府によって「日本再興戦略」の推進がなされている。そこで中核を占めるのが製造業だが、その99%を占める、従業員規模300人未満の中小企業の果たす役割は甚大である。しかし、大企業と比べ、採用・人材育成面などにおいて様々な制約を抱えている。
労働政策研究・研修機構が2013年11月に行った調査「ものづくり企業の新事業展開と人材育成に関する調査」によれば、「製造業」に分類される企業において、「求人に対して応募が少ないと思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した企業は42.8%に達した。従業員規模による違いが顕著で、「1,000人以上」の企業では約2割(20.6%)が「応募が少ない」と答える程度だが、「300〜999人」の企業で35.2%、「300人未満」となると4割を超えており、企業規模が小さくなるほど、採用が難しいことがはっきりと結果に表れた。また、「求めているレベルの人材が採用できていない」と思うかどうかのアンケートにおいても同様の傾向が見られ、とくに「50〜99人」「50人未満」の企業では約6割が人材のレベルに不満を感じている。
 
 
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採用と同じく、従業員規模300人未満の中小企業において問題となるのが、人材育成である。「技能系正社員のレベル別過不足状況」のアンケートでは、技能者のスキルを低い方からⅠ〜Vの5段階に分け、人材の過不足状況を調査した。比較的低いスキルであるI〜IIでは、過不足なく「適正」とした割合が約7割であったが、IIIでは「適正」と「不足」がほぼ拮抗、IV〜Vでは「不足」が約7〜8割と、高いレベルの技術者や指導ができる人材が不足している現状が示された。
 
 
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会社の人材育成・能力開発の方針と新規事業展開への関係をみると、人材育成への積極度合が高まるほど「新規事業を展開したことがある、または展開中」である割合が高まっている。例えば、「数年先の事業展開を考慮して、その時必要となる人材を想定しながら能力開発を行っている」と積極的な姿勢の企業では、34.1%が新事業を展開している。逆にいえば、中小企業が新規事業を展開するためには、人材育成が必要ということでもある。
 
 
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しかし、現実的な課題として、「新事業を担う人材の確保が困難」とする企業の割合が46.1%とほぼ半数を占めるアンケート結果もある。
 
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今後、国策として製造業の活力を維持し、グローバルな競争力を得るためには、新規事業展開を支える人材の確保・育成に関する支援が必要不可欠となるだろう。
 
 
【出典】「ものづくり企業の新事業展開と人材育成に関する調査」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)をもとに作成

 

作成/MANA-Biz編集部
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