ビジネスシーンで要注意ワード

NEW2018.08.08

「心血」は傾けるもの? 注ぐもの?

本日のチェックワード 65「心血を…」

心血を傾けて仕上げました」

 何度もダメ出しされながらやっと企画書を完成させた部下から上記の一言。「頑張ったのはわかるけど、どうもしっくりこない」と感じませんか?
「一つのことに集中する」といったニュアンスで「心血を傾ける」という言い方がされるケースは少なくありません。実はこのような表現はなく、正しくは「心血を注ぐ」。「精魂を傾ける」という似た慣用句があるため、混同して使う人が多いようです。「注ぐ」と「傾ける」はどちらも「一点に集中させる」という意味を持っていますが、「心血」が精神と肉体のすべて、「精魂」は精神を表すことから、「心血を注ぐ」の方がより「全精力を使う」印象を与えます。
「心血を注ぐ」も「精魂を傾ける」も、少し改まった会話に登場しやすいフレーズです。混同せずに覚えておき、ここ一番というときに正しく使いましょう。 

この使い方ならOK

・プロジェクト実現に心血を注ぐ覚悟です。
精魂を傾けて仕上げた企画書です。

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。

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