組織の力

2018.07.20

WORKPLACEからWISEPLACEへ
イノベーションを創出・加速支援する場づくりとは

第1回 働き方大学
KOKUYO×三井不動産セミナーレポート

業種・業界を超えたオープンイノベーションを目指し、イノベーションセンターやイノベーション組織を立ち上げる企業が増えている。一方、成功事例は乏しく、悪戦苦闘する企業が多いのが現状だ。そうしたなか、『WORKPLACEからWISEPLACEへ イノベーションを創出・加速支援する場づくりとは』と題したセミナーが、2018年6月20日(水)、Tokyo Midtown HibiyaのBASE Qにて開催された。その様子をレポートする。

産学官民が連携するエコシステムが
オープンイノベーションにつながる

セミナーに登壇したのは、コクヨ株式会社ワークスタイル研究所主幹研究員の齋藤敦子氏と、三井不動産株式会社ベンチャー共創事業部統括でBASE Q運営責任者を務める光村圭一郎氏の2名。まずは、コクヨに勤める傍ら一般社団法人Future Center Alliance Japanの理事を務め、イノベーション創出の場づくりやプランニングに携わってきた齋藤氏が、次の4つの点を柱に講演しました。
 
① なぜ、イノベーションの「場」はうまくいかないのか?(狭義の意味での「場」を指す)
② イノベーションの「場」のモデル
③ ケーススタディに学ぶ
④ イノベーションの「場」づくりを成功させるには
 
 
 

なぜ、イノベーションの「場」は
うまくいかないのか?

【齋藤氏講演概要】
日本企業がフューチャーセンターやイノベーションセンターをつくり始めて10年ほど経ちましたが、これといった成果が出ていないというのが皆さんの実感ではないでしょうか。そこで、1つめの「なぜ、イノベーションの場はうまくいかないのか?」について考えていきたいと思います。
 

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一般社団法人Future Center Alliance Japanが2016年に行った調査では、イノベーションに取り組んでいると回答した企業は約6割。そのうち、自社単独での取り組みが4割弱、オープンイノベーション、ソーシャルイノベーションに取り組んでいるのは全体の約4分の1でした。一般のビジネスパーソン向けに行った調査ですから、企業の取組みは進んでいるといえるでしょう。また、2012年に行った同法人の調査では、74.3%の企業が「イノベーションのためには社外知が重要」と回答した一方、「その仕組みはあるか? 機能しているか?」という質問に対してはNoが大半を占めています。

 

 
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また、Googleで「イノベーションセンター」と画像検索をすると、世界中の数多くの施設が出てくることからも、企業はイノベーションにカタチから入りがちであることが見てとれます。立派な施設をつくっても差別化が難しい状況ともいえます。
 
ここで改めて、「企業はなぜイノベーションを起こしたいのか」について考えてみると、その背景には、次のような課題があることがわかってきています。
 
商品のコモディティ化が加速、かつ、グローバル企業との競争が必須となり、既存事業を続けながら、次の事業の柱を探索していかなければならない。
✔ インターネット社会や成熟社会による習慣や価値観の変化、自動運転などのITによる新産業の兆しなどにより、ビジネスモデルの革新が求められている。
 
製造業をはじめあらゆる業界がイノベーション、オープンイノベーションを標榜し、その結果としてイノベーションセンターやイノベーション部門の設立ラッシュが起こっています。しかし、組織やイノベーションセンターといった形を整えただけではイノベーションは起こりません。それは、何よりもオープンイノベーションの成功事例が少ない、という現状が物語っているのではないでしょうか。
 
 
 

齋藤 敦子(Saitou Atsuko)

コクヨ株式会社ワークスタイル研究所主幹研究員。一般社団法人Future Center Alliance Japan理事。設計部にてワークプレイスデザインやコンサルティングに従事した後、働き方と働く環境についての研究およびコンセプト開発を行っている。主にイノベーションプロセスや共創の場、知的生産性などが研究テーマ、講演多数。渋谷ヒカリエのCreative Lounge MOV等、具体的プロジェクトにも携わる。公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会 ワークプレイスの知的生産性研究部会 部会長など兼務。

光村 圭一郎(Koumura Keiichirou)
三井不動産株式会社ベンチャー共創事業部統括、BASE Q運営責任者。講談社を経て三井不動産入社。スタートアップとの協業による三井不動産の本業強化と事業領域の拡大を目指すほか、東京ミッドタウン日比谷にBASE Qを開設し、大企業のイノベーションを支援する活動を行う。

文/笹原風花 撮影/荒川潤
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