組織の力

2018.06.04

フラワービズが提案する植物の「ビジネス力」〈前編〉

花や緑がもたらす快適な空間は科学的に証明されている

オフィスに花や観葉植物があると、「なんだか気分が安定する」「疲れが少し緩和される」と感じたことはないだろうか。一般社団法人JFTD(花キューピット)の坂内伊良氏は、「植物は、働き手のストレス緩和やオフィスの環境改善、ひいては仕事の生産性向上を助けるパワーを秘めています」と解説する。花や緑をオフィスに飾ることで得られる効果について紹介しよう。

花や緑のあるオフィスづくりで
従業員満足度の向上が期待できる

生産から卸売、小売まで、花と緑に関わる6団体が組織する全国花き振興協議会では、2015年から「フラワービズ(Flower Biz)」というネーミングの取り組みを開始した。フラワービズとは、オフィス環境に花と緑を積極的に取り入れていくことを推進するプロジェクトだ。まずは主力メンバーである坂内氏に、このプロジェクトを始めたきっかけを聞いてみた。
「植物がストレス緩和や眼精疲労改善の効果をもつことは、さまざまな研究からわかっています。また、室内の二酸化炭素や有害物質を除去したり、湿度をほどよく調節したりと環境改善効果も明らかになってきています。こうした植物に期待できる効果は、多くのビジネスパーソンが長い時間を過ごすオフィスにこそ、必要ではないでしょうか。働く場所を花や緑で飾ると、見た目が華やぐというだけでなく、快適性がアップするというメリットもあるのです」
快適に働ける空間を用意すれば、ES(従業員満足)の向上が見込める。つまり花や緑をオフィスに置くことで、今いる社員の満足度が上がるだけでなく、快適なオフィス環境が企業の魅力アップにつながることも期待できるのだ。
 
1_org_040_01.PNG
 
 

植物による
リラックス効果

では実際に、植物がもつ効果を見ていこう。まず坂内氏が挙げるのが「リラックス効果」だ。愛媛大学農学部の仁科弘重教授による研究では、「緑視率(視界に入るグリーンの割合)が15~20%だと、α波(心身共にリラックスした状態のときに出る脳波)が多く出る」という結果が得られた。
「オフィスにはパソコンのブルーライトなど自律神経を乱す原因があふれているうえ、近年は仕事にスピードが求められていることもあり、現代のビジネスパーソンは緊張やストレスから交感神経が過度に働く傾向が強いといわれています。そのため疲れに気づかないまま長時間働いてしまい、身体に負担をかけることが少なくありません。頑張っている人こそ、緑のある環境下で、リラックスすることが必要なのです」
 
 
 

植物の力が
健康経営の実現に一役

さらに、植物を置くことはオフィスの快適性向上にも有効だという。「快適さ」の一要素といえるのが湿度だ。先述した愛媛大学農学部の仁科教授による研究では、植物がある部屋とない部屋を比較したところ、植物のある部屋の方が湿度が高い、という結果が出ている。坂内氏は、「オフィスでは、エアコンの影響で室内が乾燥しがちです。植物を置くことで湿度を調節できれば、風邪やインフルエンザウイルスを蔓延させないなどさまざまな効果が期待できます」と語る
 
1_org_040_02.png
 
また、飾る植物の種類によっては、ホルムアルデヒドなど大気中の有害物質を除去するものや、二酸化炭素を吸収して酸素を放出するものもある。植物を置くことは、健康によいオフィスづくりにつながり、健康経営にも結びつくというわけだ。
 
1_org_040_03.png
 

全国花き振興協議会

花と緑の産業6団体によって組織される業界団体。生産流通改善や消費増進、花き産業の振興に向けて活動する。農林水産省が推進する「くらしに花を取り入れる新需要創出事業」の一環として、「フラワービズ」を展開中。

文/横堀夏代 撮影/荒川潤
PAGE TOP