仕事の効率化

2018.05.30

リカバリーのための時間を設ければ仕事の先延ばしが防げる

仕事の効率化9:「予備時間」で仕事の遅れを取り戻す

仕事が予定通りに終わらないことを
前提に「予備時間」を設定しておく

仕事が立て込んでいるとき、毎日のToDoリストはさまざまな仕事で埋まっています。リストアップした仕事を予定通りに消化していければ問題はないのですが、思ったより時間がかかったり、急に仕事を頼まれたりした場合、どうしてもやり残しが発生します。少しのやり残しでも、積み重なると大幅な仕事の遅れにつながり、社内のメンバーや取引先に迷惑をかけることになりかねません。
 
仕事がずるずると先延ばしになっていくのを防ぐ手段として私が提案したいのが、「予備時間」を確保しておくことです。予備時間は、簡単に言えば「やり残した仕事を消化し、軌道修正を行うリカバリーのための時間」です。仕事が予定通りに終わらないことを見越して、あらかじめ設定しておくわけです。
 
予備時間は、急な割り込み仕事にも有効です。割り込み仕事が入ったために着手できなかったタスクを予備時間に回せば、ドミノ倒しのように仕事がどんどん遅れていくのを防げるからです。その意味で、連載第1回で紹介した「忙しさの7つのタイプ」のうちタイプ2の「割り込みタスクが入ると、仕事のペースが落ちてしまう」に当てはまる人は、試しに取り入れてみてはいかがでしょうか。
 
 

緊急でない限り
予備時間に別の予定を入れない

予備時間を設定するときに大切なポイントは、「事前に時間を確保し、緊急の案件が入らない限りほかのスケジュールで埋めない」ということです。「予備」という言葉に「いざというときの備え」といったニュアンスがあるせいか、予備時間をすでに取り入れている人でも、社内打ち合わせなどをその時間に入れてしまうなどして、安易につぶしてしまいがちです。
 
しかしそれでは、本当に不測の事態が起こったときに対処できません。「スケジュールを決める」というよりは「自分にアポイントを取る」という感覚で1カ月分の予備時間を設定し、顧客のトラブル対応などよほどのことがない限りはしっかり守ることを心がけましょう。
 
 

予備時間はできるだけ
週2回確保する

予備時間は、週2回ずつ設定しておくのが理想です。私の場合は、水曜日の午前中と金曜日の午後を予備時間と決め、それぞれ90分ほど確保しています。
 
予備時間を習慣化している人に聞くと、金曜日に設けている人が目立ちます。しかし週末だけだと、1週間分のやり残しをその日にまとめて消化しなければならず、大きな負担になります。金曜日のほかにもう1日、週の半ばにも入れることで、仕事がたまり過ぎないうちに処理できるうえ、トラブルになりそうな案件に早い段階で対応することもできます。つまり仕事の進行を週2回ずつメンテナンスできるわけです。
 
予備時間を週2回設けるということは、1カ月に約8回、年間で考えれば100回弱になります。仕事の進行について、これだけの回数メンテナンスを行っている人と、ゼロの人では、長い目で見れば仕事の進み方に大きな差がつきます。
 
 

「予測×1.5倍」で
仕事にかかる時間を見積もる

予備時間と関連させて、仕事にかかる時間の見積もり方についてもお話しましょう。そもそも時間の見積もり方が甘いと、「思った以上に時間がかかった……」の連続で予備時間を使っても仕事のやり残しが出てしまい、1週間のうちにリカバリーが難しくなるからです。そこで、仕事にかかる時間は原則として「かかりそうな時間×1.5」と考えましょう。つまり、「この作業には30分かかりそうだな」と思ったら45分、1時間かかりそうなら90分で予定を立てるわけです。
 
また、1.5倍よりさらに時間がかかることも考えて、タスクとタスクの間には休憩時間や移動時間を除いて30分の間隔を取るのがお勧めです。余裕のあるスケジュールを組んでおけば、作業が長引いたり、長電話や立ち話につかまったりしたときでも、次の仕事が後ろ倒しに遅れるのをある程度は防ぐことができます。
 
 

予備時間の作業前には
やり残し仕事の優先順位を確認

最後に、予備時間に遅れている仕事をする際の注意点を挙げておきましょう。重要なのは、実際の作業を始める前に1分間とって、「どの仕事が最重要か」を再確認することです。例えば遅れている仕事が3つあるなら、優先順位の高いものから着手するわけです。順位が低い仕事をやり残してしまったら、翌日以降の予備時間などに消化する計画を立ててToDoリストに組み込みます。
 
このように何度も段取りを確認しながら進めることで、結果的には仕事のスピードはアップします。忙しい人こそ、予備時間を取り入れてみてください。 
 

鈴木 進介 (Suzuki Shinsuke)

経営コンサルタント。独自の思考整理術を構築し、「思考の整理家」として、現在では一部上場企業からベンチャー企業までコンサルティング実績は100社以上。講演会や人材教育の分野でも活躍する。『1分で仕事を片づける技術』『1分で頭の中を片づける技術』(共にあさ出版)など著書多数。

イラスト/海老佐和子
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