ビジネスシーンで要注意ワード

2018.04.27

「二の舞」は 踏むものではない

本日のチェックワード 60「二の舞を…」

「Eさんの二の舞を踏むことのないよう気をつけます」

 失敗した同僚の仕事を引き継ぐときに上記のような言葉を口にしたら、周りの人はどう感じるでしょうか? 言葉の用法にうるさい人なら、「本当に大丈夫?」と突っ込んでくるかもしれません。
 ここで間違っているのは、「二の舞を踏む」という言葉。正しくは「二の舞を演じる」と言います。「二の舞」とは、舞楽(雅楽)で案摩(あま)の舞(仮面をつけて行う舞)に引き続いて行われる舞のこと。案摩の舞を真似して別の踊り手たちが行うのですがうまくいかずに滑稽であることから「前の人の真似をすること」という意味で使われ、転じて「前の人と同じ失敗を繰り返す」といった語意で用いられるようになりました。いつしか「轍を踏む」(失敗などの先例を繰り返すこと)と混同されるようになり、現在では「二の舞を踏む」という言い方をする人が少なくありません。
「舞はSTEP(踏む)ではなくACT(演じる)」と覚えておけば混乱しないで済みます。

この使い方ならOK

・Eさんの二の舞を演じることのないよう、努力したいと思います。
・今のままじゃ、リーダーの二の舞だよ。

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。

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