仕事の効率化

2018.03.28

仕事の引き算が効率化の決め手に

仕事の効率化4:「捨てる仕事」を見極める

劣後順位をつけ
「捨てる仕事」を見極める

この連載記事の第2回「生産性を上げるのは『成果直結型』の頑張り」で、「毎日のToDoリストを実行する前にいったん立ち止まることが大切」とお話しました。立ち止まるのは仕事の優先順位づけを行うためですが、時間短縮を主眼に置くなら、順位づけより先にやっておきたいことがあります。「捨てる仕事」を見極めることです。
 
1日のToDoリストをつくるとき、頭の中はどうしても「あれもこれもやっておかなければ」という足し算の発想になり、項目数が増えがちです。そのリストで優先順位をつけて実行しようとしても、仕事の絶対量が多いため、時間の効率化という意味で限界があります。
 
そこで、優先順位をつける前にリストを眺め、引き算の発想で劣後順位(優先順位の逆で、後回しにできる順番)をつけ、「捨てる仕事」を決めるわけです。
 
連載の第1回で紹介した「忙しさの7つのタイプ」で自分はタイプ1「仕事を断りきれずにたくさん引き受け、抱え込んでしまう」傾向があると感じた人は特に、捨てる仕事の見極め方を知ることで効率化が図れるでしょう。
 
 
 

「捨てる仕事」は
4つに分類できる

では、捨ててよいのはどんな仕事でしょうか。1日の範囲で考えるなら、捨てる仕事(劣後順位)を判断するポイントは大きく分けて次の4つだと私は考えています。
 
①明日以降でも間に合う仕事
明らかに今日やらなくてもいい仕事は、翌日以降に回して問題ありません。とりあえずいつ実行するかを決めてスケジュールに組み込んだら、その日は忘れてしまいましょう。
 
②他人に任せられる仕事
他人の方が速く的確にできる仕事や、あえて自分がやらなくてもいい仕事は、積極的に周りの力を借りましょう。「他人に任せるコツ」は、第5回で詳しく解説します。
 
③今日のところは完璧に仕上げなくてもよい仕事
「まだ期限は先なので、今日のところは6割まで仕上げておけばOK」といった仕事は、極論すれば「その日は捨ててしまってもよい仕事」ともいえます。時間が余ったら取り組むなど、優先順位を下げてもよいでしょう。
ただし①と同じく、「その仕事に集中して取り組む日」は必ず設定するべきです。また、自分では「今日のところは捨てて大丈夫」と思っても、内容によっては上司や取引先に確認が必要な場合もあります。
 
④しくみ化できる仕事
定期的に発生する仕事については、書式やチェックシートをあらかじめ作成するなどして「しくみ化」しておくことをおすすめします。しくみ化されている項目は短時間で終わるので、その日に取り組むにしても負担はかなり少ないはずです。
 
 
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「劣後順位」をつけてやるべきことを絞り込み
じっくり集中して取り組む

1日のToDoリストから①~③に当てはまる「捨てる仕事」を差し引くと、「どうしてもその日にじっくり取り組まなければ」という項目はだいぶ減るのではないでしょうか。絞り込みをかけたうえで残った優先順位の高い項目は★印をつけるなり、目立つ色の蛍光ペンで下線を引くなりして「見える化」し、その日に使える時間の多くを割り振ります。
 
項目数が減れば、それだけ集中して取り組むことができるため、仕事の精度アップが期待できます。また、全体の作業時間短縮(=効率化)にもつながり、残業の削減などが実現しやすくなります。
 
ToDoリストを作成したら、「今日中にやるべき仕事なのか」という観点から劣後順位をつけ、捨てる項目を差し引く一手間を加えましょう。時間にして1分間程度ですが、メリットはとても大きいといえます。
 

鈴木 進介 (Suzuki Shinsuke)

経営コンサルタント。独自の思考整理術を構築し、「思考の整理家」として、現在では一部上場企業からベンチャー企業までコンサルティング実績は100社以上。講演会や人材教育の分野でも活躍する。『1分で仕事を片づける技術』『1分で頭の中を片づける技術』(共にあさ出版)など著書多数。

イラスト/海老佐和子
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