ビジネスシーンで要注意ワード

2018.01.18

逃がした魚の正体は 意外と小さい?

本日のチェックワード 53「逃がした魚は大きい」

逃がした魚は大きいことを思い知らせてやりましょう」

 コンペで競合に敗れた後の残念会で、上記のようなフレーズが部下の口から出てきたとき、あなたはどうしますか? 「そうだね、目に物見せてやろう」などと同調するのは、少し待った方がいいかもしれません。
 このケースのように、「逃がした魚は大きい」を大物を逃すことだと誤解している人は少なくありません。しかし、「逃がした魚は大きい」という慣用句は、実は「手に入れ損なったものは実際よりも価値があるように見える」という意味。つまり、「本当はそこまで価値があるわけでもないのに」ということを言外に言っているわけです。ですから、上記のように「今に見ていろ」のような文脈で使おうとしても、「自分が大した存在ではないことを思い知らせてやる」ということになり、自らを卑下している発言になってしまうのです。言い換えるなら、「大魚を逸す」が正解です。

この使い方ならOK

・無理をしてでもあのコンペに参加すればよかった。逃がした魚は大きいよ。
 

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。

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