ロジカルシンキング

2017.11.15

その結論、人を動かせますか?

ロジカルシンキング10: 自分と相手の「行動」を明確にする

「行動」を決めないと
誰も動かない

会議で結論は出たものの、しばらくたっても誰も行動に移していない。そんな経験はないでしょうか。
例えば、次のように「論点」→「結論」→「理由」の流れで話が進められたとします。
 
(論点)「社内の情報共有の促進をどうすべきかですが」
(結論)「月1回、全員が集まる情報共有会をすべきです」
(理由1)「現状のグループウェアのやりとりは不十分」
(理由2)「管理職の会議だけだと、意図がメンバーに伝わらない」
(理由3)「ふだん話さない人と話すことで、互いの人柄を理解できる」
 
説得力のある話に聞き手は納得し、結論に賛成するでしょう。しかし、いつまでたっても、情報共有会は開かれない。それは結論が出たあと、誰が何をするか不明確だからです。
 
結論に合意が取れても、そのあとの「行動」を決めないと誰も動きません。最後に必ず「自分は何をするのか」そして「相手に何をしてほしいのか」を付け加えることが重要なのです。
例えば先に挙げた“情報共有会”のケースなら、次のように自分と相手の行動を加えるといいでしょう。
 
(論点)「社内の情報共有の促進をどうすべきかですが」
(結論)「月1回、全員が集まる情報共有会をすべきです」
(理由1)「現状のグループウェアのやりとりは不十分」
(理由2)「管理職の会議だけだと、意図がメンバーに伝わらない」
(理由3)「ふだん話さない人と話すことで、互いの人柄を理解できる」
(行動)「私がスケジュールを作りますので、○○さんは、会議室の確保をお願いします」
このように伝えれば結論が行動に移せます。
 
 

「誰が、いつ、何をするか」
はっきりと伝えよう

「行動」を決める際は、「自分」と「相手」の作業分担を明確にする必要があります。ときには、どちらか一方だけが作業をする場合もありますが、いずれにしても「行動」とは、「誰が、何を、いつまでに行うかを述べる」ことです。
 
まず自分の行動に関しては、次の2点が求められます。
 
具体的行動(まず何に取りかかるのか)
時間軸(いつ行うのか)
 
例えば「今回つくる提案書には写真付きの納入事例を入れよう」という結論で合意が取れた場合、次のように自分の行動を付け加える必要があります。
 
(時間軸)→「私が明日までに」
(具体的行動)→「過去の案件写真のデータベースの検索をして探しておきます」
 
一方、「相手の行動」は、『ロジカル・シンキング』(照屋華子・岡田恵子著、東洋経済新報社)の表現をそのまま借りますが、次のいずれかになります。
 
「理解」
「意見」
「具体的行動」 
 
これを、“提案書”の例に当てはめてみましょう。
 
(理解)→「来週から提案書の仕様が変わることをご承知おきください」
(意見)→「どのような写真がよいか、ご意見ください」
(具体的行動)→「使えそうな写真データがあれば提出してください」
 
このように「行動」を述べることは、ミーティングの場だけでなく、上司と部下など一対一のやりとりでも必要不可欠です。
 
例えば、上司に「すぐにお客様に謝る必要があります」という結論を、理由とともに伝えても、「言いたいことはわかったが、私はいったい何をすればいいんだ?」と上司に突っ込まれてしまいます。そこで、次のような「行動」が必要なのです。
 
【自分の行動】
「今日中に(時間軸)、私が先方にお詫びに行ってきます(具体的行動)」
 
【相手の行動】
「今日の会議の欠席をご理解ください(理解)」
「今後の対応について助言をいただけますか(意見)」
「部長は工場への根回しをお願いします(具体的行動)」
 
このように、自分と相手の行動を明確にして初めて結論が実現し、状況の改善へとつながるのです。
 

下地 寛也(Shimoji Kanya)

コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)

イラスト/フクイヒロシ
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