ロジカルシンキング

2017.10.19

「結論は先か後か」、それが問題です!

ロジカルシンキング9:結論のタイミングが聞き手の納得感を左右

ビジネスシーンでは
「結論は先に!」を意識しよう

仕事の会話で「結論」と「理由」を述べるとき、あなたは次のどちらを選びますか?
 
「山本さんを採用します。なぜなら、彼は優秀だからです」
「山本さんは優秀だから(なので)、彼を採用します」
 
➀は結論を先に言い、理由を「なぜなら」でつないだもの。一方、②は理由を先にいい、「だから(なので)」でつないだ後に結論を述べています。
一般的に、日本人は②の話し方を自然に感じます。なぜなら、日本語は理由を先に言ってから結論を最後に言う文章構造が自然な話し方なのです。つまり、意識して結論を先に持ってこないと、「結論を先に言え!」と上司に言われてしまうわけです(加えて、日本には「起承転結」という文章構成があるため、結論は最後というのが良いという風潮があります)。
 
では、実際にはどちらがいいのでしょうか。結論は先か後か。
基本的にはやはり「結論が先」。もちろん結論の前に論点をしっかり伝える必要はありますが、「論点→結論→理由」の順で話すと、聞き手は理解しやすくなります。次の例を見てみましょう。
 
【結論が先の場合】
(論点)「明日の会議での提案、社長が欠席という状況でどうするかですが」
(結論)「来週の定例会議に、提案を延期しようと思います」
(理由1)「なぜなら、社長は提案に賛成ですが、ほかの役員は乗り気ではないのです」
(理由2)「社長が参加される会議は、来週の定例会議が最短になります」
(理由3)「提案が承認されても実施は来年なので、時間的な余裕もあります」
 
【結論が後の場合】
(論点)「明日の会議での提案、社長が欠席という状況でどうするかですが」
(理由1)「社長は提案に賛成ですが、ほかの役員は乗り気ではないのです」
(理由2)「社長が参加される会議は、来週の定例会議が最短になります」
(理由3)「提案が承認されても実施は来年なので、時間的な余裕もあります」
(結論)「なので、来週の定例会議に提案を延期しようと思います」
 
結論が後の場合、明日の会議での提案をどうするのか最後までわかりません。そのため聞き手は途中で焦れてしまい、「で、結局どうするの?」と言われることに…。
「結論は先にもってくること」、これが聞き手を疲れさせないコツです。
 
 

どのような時に
結論を最後に述べるべきか?

「結論は先にもってくる」。これがビジネスコミュニケーションの基本ですが、結論を最後にもってきたほうがいいケースがあります。
 
それは「聞き手にとって厳しい結論を伝えるとき」です。例えば、部下に海外赴任を伝える場合などがこれにあたります。
 
(論点)「来期の組織編成での君のポジションを説明したい」
(理由1)「知ってのとおり、国内市場は縮小傾向が続いている」
(理由2)「中国とインドは3年前から事務所をつくって好調だ」
(理由3)「次に開拓すべき市場は、ブラジルとロシアだと考えている」
(理由4)「社長は、エース人材をブラジル市場に投入したいと言っている」
(結論)「私としては戦力ダウンで辛いが、ブラジルに赴任してほしい」
 
このように理由を順序立てて先に述べることで、聞き手は結論を推測し、心の準備ができます。実際に、裁判では結論(主文)を初めに述べるそうですが、極刑の場合は最後にもってくることが多いといいます。
 
同じようなケースですが、クライアントに提案をする場合も、結論を先に言うか、最後に言うかで悩むことがあります。
この場合は、その提案を相手がスムーズに受け入れてくれそうな内容なら、結論を先に話しましょう。
反対に、相手がじっくり考えて詳細を理解しないと受け入れてないような内容であれば、いきなり結論を切り出すと聞く耳をもってもらえないことがあるため、結論は最後に述べるのが無難です。
 
このように、結論の内容や状況に合わせて結論を述べるタイミングを変えると、聞き手が話を受け入れやすくなります。
 

下地 寛也(Shimoji Kanya)

コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)

イラスト/フクイヒロシ
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