プレゼンテーション

2017.08.02

自分のプレゼンを客観的に評価できるようになるには

プレゼンテーション8:フィードバックの練習で長所と短所を見る目を養う

プレゼンがうまい人は
フィードバックが必ずうまい

日本人は、他人のやること対してフィードバック(結果に対して客観的なアドバイスをすること)するのが、あまり得意ではないようです。
 
プレゼンの事前チェックをしていても、人のプレゼンに対して「なんかよかったです」「まぁ、伝わりました」と漠然とした印象しか言えない人がよくいます。プレゼンで気になる点を指摘すると相手の機嫌を損ねて悪いなと思ってしまうのでしょう。
一方で、ベテラン上司タイプの人には「ん~、なんか、伝わらないんだよね、もう1回作り直して!」などと漠然としたダメだしをする人もいます。これだと、「どこが悪いのかよくわからないなあ、具体的に教えてほしい」と思ってしまいます。
 
フィードバックに求められるのは、単に「良いか、悪いか」を伝えることではありません。フィードバックとは、「全体の中でどこが良くて、どこが悪いかを切り分けて改善のアドバイスをする」ということです。
 
例えばスポーツを観ているときでもフィギュアスケートの場合、羽生結弦選手とパトリック・チャン選手の違いを指摘できる人は少ないでしょう。「何となく羽生選手の方がキレがあった気がするね」みたいなコメントになります。
しかし、普段からよく見ているスポーツ、たとえばサッカーをよく見る人なら、「香川、ドリブルで持ち込むまでは良かったけど、そこはパスじゃなくてシュートだろう」と、細かいところまで指摘できるものです。
 
プレゼンも同じです。プレゼンがうまい人は、他人のプレゼンについても長所と短所をきちんと見分けることができます。人のプレゼンを見るとき、どこがよくてどこが悪いかを見分ける意識を持つことは重要。
なぜならば、これができないと、自分のプレゼンもどこが良くて、どこが悪いのかを意識できていないということになるからです。
 
 

指摘は具体的かつポジティブに

プレゼンの練習で他の人にフィードバックをするときには、頭ごなしに悪いところを指摘してはいけません。まず良いと思ったところを伝えて、次にここを直せばもっと良くなるという言い方でフィードバックするといいでしょう。良い点、悪い点の比率は良い:悪い=6:4~8:2くらいがいいでしょう。悪いところについては、こうすればよくなるという改善方法も伝えます。
 
「話すスピードや間の取り方、表情も素晴らしかった(良い点)と思う。ただ少し声が小さい気がする(悪い点)ので、自信を持って大きな声を出す(改善点)ともっと迫力のあるプレゼンになると思うよ」
 
といった形です。
 
また、自分のプレゼンについても常に他の人からフィードバックをもらうようにしましょう。これはプレゼン内容のブラッシュアップにとても役立ちます。
 
例えば新商品を紹介するプレゼンであれば、機能やデザイン、価格の話を中心にプレゼンをしがちですが、同僚にプレゼンを聞いてもらえば、「もう少しデザイン性の話や、利用シーンについての説明が入っているほうがわかりやすいなあ」といった自分が見落としている視点を助言してくれるものです。
 
人によってプレゼンの受け取り方は違いますので、何人かの同僚にフィードバックをもらえば本番でお客さんがどのように思うのかも予測がつくようになるはずです。
 
プレゼンの目的とは、自分の言いたいことを言うことではなく、相手の心を動かすことです。そのためにも、普段からお互いのプレゼンをチェックし、フィードバックの練習をすることを組織の文化にしてほしいと思います。
 

下地 寛也(Shimoji Kanya)

コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)

イラスト/海老佐和子
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