リサーチ

2017.07.21

減少する「仕事が好き」なビジネスパーソン

仕事の好き嫌いに影響する会社の風土とは?

これまでの終身雇用制がゆらぎ、仕事の質や働き方の変化が続いている日本で、仕事が好き、というビジネスパーソンが減っているという結果が出た。企業発展のために必要不可欠な、社員のモチベーションの向上を図るためにはどうすればよいか。そのカギを握るのは「会社の風土」にあるようだ。

企業のブランドコンサルティングを支援する株式会社リスキーブランドが、日本人男女ビジネスパーソンを対象に行った「日本人の仕事意識」の調査データによると、「仕事が好き」「仕事がまあ好き」と答えたビジネスパーソンの割合は、2008年では60%だったのが、9年後の2017年では45%と、15%も減少する結果が出た。すでに2014年の段階で、半数以上のビジネスパーソンが、仕事に関して否定的か、好きでも嫌いでもないと考えているようだ。
 
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リスキーブランド/マインドボイス調査、以下同

 
その傾向を性別、年代別に見てみると、特に50歳以上の男性で減少傾向が顕著だ。2008年では「仕事が好き」と回答したのが65%だったのに対し、2017年では43%にまで落ち込んでいる。この間、ITの浸透やコンプライアンス強化など、仕事の質が大きく変化したことが、それまでのやり方に慣れているベテラン世代に、影響を与えているのではないだろうか。
 
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日々の生産性を上げるのは、そこで働く人の能力だけでなく、「仕事への意欲」も大きくかかわってくるが、そのモチベーションは仕事をとりまく環境によって左右される。そこで、「仕事が好き」な人と「仕事が嫌い」な人それぞれが挙げた会社の風土の特徴を比べたのが下の図だ。
 
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「仕事が好き」な人の多くが挙げた社風の特徴は、「自由に意見を言い合える自由闊達な風土」「規律よりも、個人の自主性を尊重する」「職場に活気がある」が上位を占めた。自分の裁量で仕事を進められ、社内で意見交換が活発な様子がうかがえる。反対に「仕事が嫌い」な人が所属する会社では、理不尽なことを受け入れなければならない体質や、無駄な業務による長時間拘束に不満を持つことで、仕事への意欲を低下させていることがわかる。
 
「仕事が好き」なビジネスパーソンを増やすことが、企業の生産性を向上させる方法の1つであることは間違いない。それには、個人を認め、自由に意見が言えたり仕事ができる雰囲気づくりが必要であるといえよう。社員のモチベーションを上げるために、これをどう根付かせていくかが、これから先、企業が発展するカギとなりそうだ。
 
 
(出典)「MINDVOICE® 2017(株式会社リスキーブランド実施の生活意識調査)」(株式会社リスキーブランド/マインドボイス)をもとに作成。
 
作成/MANA-Biz編集部