ビジネスシーンで要注意ワード

2017.07.14

取引先との約束に「朝イチ」「午後イチ」は禁句

本日のチェックワード 42「朝イチ、午後イチ」

朝イチまでに草案をお送りください」

 取引先から上記のように言われた場合、あなたなら何時までに草案を送りますか?
「朝イチ」は正しくは「朝一」で、「朝一番に行う」という意味で辞書に載っています。この言葉から派生して、「午後イチ」(=午後一番)という言葉も生まれました。朝のテレビ番組のタイトルの影響もあり、現在では約束を交わすときに「朝イチ」「午後イチ」という表現がひんぱんに使われています。
 朝イチも午後イチもだいたいの時間は読めますが、ビジネスの現場で使うときは要注意。朝は企業や団体によって始業時間がまちまちですし、フレックスタイム利用によって社内でも出社時間がバラバラ、というケースが珍しくありません。午後イチは「昼食後一番に」というニュアンスだと想像はつきますが、昼休憩の時間も企業や個人によってまちまち。「午後1時の約束だと思っていたら、相手は12時45分のつもりだった」といった行き違いが起こることも予想されます。訪問する時刻などはもちろん、メール送付や電話連絡をする時間を大まかに伝えるときも、「10時までに」など明確に伝えるのがマストです。
 なお、同じような新語で「今日イチ」(今日で一番)という言い方があります。改まった場で使うのはNGですが、自分の感覚を相手に伝えるための言葉であって、相手と認識を共有する必要はないので、許容範囲といえるでしょう。
 

監修/篠崎 晃一(Shinozaki Koichi)

東京女子大学教授。専門は方言学、社会言語学。『例解新国語辞典』(三省堂)編修代表や、テレビ番組「ワーズハウスへようこそ」(日本テレビ系)の監修など幅広い分野で活躍。『えっ?これっておかしいの!? マンガで気づく間違った日本語』(主婦の友社)など、日本語の誤用に関する著書も多い。

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