リサーチ

2017.03.09

どちらに転ぶ? 外国人留学生の採用

価値観の違いが強みとなるか、弱点となるか

外国人留学生を採用する日本企業が増えてきた。実際に採用することで企業内にどのような影響があるのかを探ってみると、グローバルな価値観を受け入れることの「難しさ」が浮かび上がってきた。

企業や学校の調査を行う、株式会社ディスコのキャリタスリサーチの調査レポートによると、 2015年度の外国人留学生採用実績と16 年度の採用予定について、約600社の回答を表したグラフでは、従業員数 1000 人以上の企業では「15年度に採用した」企業が約5割、「16年度採用予定あり」が 7 割超、1000 人未満の企業では「15年度に採用した」が3割前後、「16年度採用予定あり」は半数を超えている。外国人社員の採用が全体的に浸透してきた様子がうかがえる。
 
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外国人留学生を採用する目的と、求める資質外国人留学生を採用する目的を文系・理系の分野別で尋ねた結果、「優秀な人材を確保するため」が最も多く、双方とも7割前後。次に「外国人としての感性・国際感覚等の強みを発揮してもらうため」が続くことから、国際市場に向けて、グローバルスタンダードな感性を導入しようとする企業の考えが見られる。
 
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外国人留学生を実際に採用した企業に、採用したことによる社内へのさまざまな影響をたずねたところ、好意的な影響としては、「異文化・多様性への理解の向上」が 71.3%と最も多かった。だが外国人留学生を採用することにより社内で起きた問題としては、「文化・価値観、考え方の違いによるトラブル」66.1%で最多。この矛盾は、外国人留学生採用にまつわる利点と問題点が表裏一体であることを表している。
 
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外国人に、グローバルな感性をキープしながら、日本の企業に馴染んでもらうことは簡単ではない。残業文化や企業内での飲み会、意見交換の際のマナーなど、外国と日本では全く違う習慣が多々ある。例えば、自分の意見をしっかりと主張する欧米流の価値観では、グローバル企業との交渉では強みになるかもしれないが、日本人相手では戸惑う人がいる場合もあるだろう。
ここで大切なことは、「外国人留学生を採用」する時点で、その企業は多かれ少なかれ変革を迫られている、ということだ。経営戦略はもちろんのこと、日本人社員の意識レベルから、社内のシステムといった包括的なレベルまで、様々なレベルでの変化が必要だ。
社内のルールやシステムそのままに、外国人だけを採用しても、ビジネスは前に進まない。「グローバルな変化を求めるのなら、自分たちも変わる必要がある」と認識し、異文化・多様性を受け入れながら日本人・外国人の双方にとって働きやすい環境をつくっていくことが求められる。
 
 
(出典)ディスコ「外国人留学生の採用に関する企業調査」をもとに作成
作成/コクヨ ワークスタイル研究所
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