リサーチ

2017.03.01

職場の風土が女性の活躍を妨げる!

活躍できないのは本当に「女性の意識の問題」だけ?

女性社員の活躍を推進する上での課題は、女性社員自身の意識の問題だけなのだろうか。調査データを見ていくと、女性社員自身の意識以外にも、女性の活躍を妨げる要因があることが見えてくる。

公益財団法人日本生産性本部は、企業の人事担当責任者、またはダイバーシティ推進責任者を対象に、コア人材(課長相当職以上)としての女性社員育成への取り組み状況や効果的な施策を明らかにするためのアンケート調査を行った。
 
女性社員の活躍を推進するうえでの課題として一番多く回答が集まったのが、「女性社員の意識」。これを課題と回答した企業では、男性上司が女性社員に対して「昇進や昇格することへの意欲が乏しい」、「難しい課題を出すと、敬遠されやすい」と見ている企業が多いようだ。また、「仕事に対する責任感が乏しい」という見方も3割強あった。実際に女性社員に回答を募ったわけではなく、社内における女性社員とのコミュニケーション度合いも不明だが、多くの上司が判断していることから、女性社員は仕事に対して積極的ではない、あるいはあまり変化を好まないように、上司からはみえているのだ。

 

 
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女性社員の活躍を推進するうえでの課題(図11)で、2番目に回答が多かった課題「家庭的負担に配慮がない」は致命的だ。特に子どもを持つ女性社員に対しては、育児に理解がない限り仕事にコミットすることは難しいだろう。一番の課題として挙がった「女性社員の意識」も、家庭と仕事が両立できる環境が整えば変わってくるに違いない。
 
また、その他回答が多かった課題として挙がった「経営者または管理職の理解・関心が薄い」と思われる理由としては、「女性社員の育成の経験がない(または少ない)」(61.7%)とする企業が最も多かった。そして「今までの企業風土を変えたくない」という保守的な企業も 2割弱いた。
 
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家庭との両立も難しく、男性の上司や同僚の理解もなければ、女性社員がどうして意欲的に働くことができるだろうか。最初は意欲的であっても、途中で道を閉ざされてしまうのではないか。企業に求められているのは、男性も含めた組織全体の働き方の見直しを行うことだ。それは制度の見直しだけにとどまらず、社員の意識を改善する必要がある。女性社員の意識だけを変えようとしても、結果はついてこないのだ。
 
また。今は働き方が多様化している時代でもある。フレキシブル制度やオフィス外から働く「ノマド方式」を容認している企業も増えてきている。組織に属する全ての人の多様なライフスタイルを尊重する方向で、企業自体のマインドも変化させることが、女性が活躍できる企業の大前提となるだろう。
 
 
(出典)公益財団法人日本生産性本部/ワークライフバランス推進会議「第7回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」結果概要」をもとに作成
作成/コクヨ ワークスタイル研究所
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