プレゼンテーション

2017.02.24

プレゼンの冒頭でフックを掛ける

プレゼンテーション5:相手の興味を引く5つのテクニック

問いかけのパターンを
持っておこう

前回のコラムでお伝えしたように、プレゼンテーションの聴き手は、こちらが期待するほど積極的に話を聴きたいと思っているわけではありません。つまりプレゼンの冒頭で相手の興味を引くためのフックを掛ける必要があるわけです。
 
聴き手がうまく話に食いついて興味を引いてさえくれれば、そのあとの話は非常にしやすくなるでしょう。ところが相手の興味を引くためのフックを用意するのはなかなか難しいものです。
 
毎回どのような話の切り出し方をしようかと考えるのは骨が折れる作業です。そこで今回は、よく使うパターンを5つ紹介したいと思います。多くのものは相手に考えさせる「問いかけ」をするものです。
 
1. 選択基準は何か?
「皆さんランチは毎日召し上がると思いますが、お店はどんな基準で選んでいますか?」⇒(そうだな、値段が手ごろな店、かな)
 
「今日おすすめするのは、たった400円で栄養バランスのとれたおいしいお弁当が食べられるデリバリーサービスです」⇒(へ~、どんな話だろう・・)
 
2. 普段はどうしているか?
「皆さんは普段はどのようなお酒を飲まれますか?」⇒(まあ、ビールが多いかな)
 
「この時期はやはりビールが人気だと思いますが、今日は、ビールより爽快感のあると評判の新しいお酒のご紹介です」⇒(ふ~ん、どんなお酒なんだろう・・・)
 
3. 秘密・秘けつは何か?
「この新しいダイエット法なんですが、実はすぐに効果があらわれる丸秘テクニックがありまして・・・」⇒(すぐに効果があるって、何だろうな・・・)
 
4. 人気の理由は何か?
「最近、インスタグラムという写真共有サービスが20代を中心に大人気です。ほかにも様々なSNSがあるなか、なぜインスタグラムに人気が集まっているのかというと・・・」⇒(たしかに人気らしいが、どうしてだろう・・・)
 
「問いかける」と言っても、無理に凝ったクイズをつくる必要はありません。相手が知っている話題、共有できる話題について、「どうですか?」と投げかける。そのくらいの方が、聴き手にスムーズにプレゼンの世界に入ってもらうことができます。
 
 

セオリーを否定して
話を始めるのもアリ

もうひとつ、聴き手の興味を引くテクニックを紹介しましょう。それは、一般的な常識やセオリーを否定して話を始める、という方法です。
 
5. 常識を否定する
「ベストセラーの『嫌われる勇気』の中で、心理学者アドラーは、子どもをほめても叱ってもいけないと言っています」⇒(え、ではどうするのだろう?)
 
「このオフィスチェアのセールスポイントは、機能面でも値段面でもないんです」⇒(へ~、じゃあ何なの?)
 
この方法は、プレゼンターが問いかけを行うのではなく、聴き手の心の中に自然と「じゃあ何?」という疑問を浮かばせるやり方です。予想を巧みに裏切ることで、その先を聞きたいと強く思ってもらえるのです。
 
これらの5つのテクニックに共通して言えることですが、疑問を投げかけると言っても、相手に無理に答えを言ってもらう必要はありません。「そういえば何だろうな」というクエスチョンが聴き手の頭に浮かぶ。そして、その先の話が聞きたくなる。それが、プレゼンにおけるフック(問いかけ)の目的です。
 

下地 寛也(Shimoji Kanya)

コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)

イラスト/海老佐和子
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