プレゼンテーション

2016.12.21

聴き手全員に伝わらなくても大丈夫

プレゼンテーション3:聴き手2:6:2の法則

プレゼンでは誰に向けて
話せばよいのか

プレゼンの研修では、「聴き手にどう響くかを考えて話しましょう」という話をよくします。すると、たまにこんな質問を受けます。
「聴き手が大勢いる場合はどうすればよいのでしょうか」。
 
たしかにそうですね。この場合、まず考えたいのは、聴き手の中の意思決定者は誰かということ。聴き手が大勢いる場合でも、最終的には社長が一人で決めるというプレゼンであれば、社長がどう考えるかだけを考慮してシナリオをつくればよいでしょう。
一方で、役員会議で決めるなど、複数の人が話し合って決定するという場合もあります。こうした場合は、どうすればよいのでしょうか。
 
 

聴き手のタイプは
2:6:2に分布する

そんなときに意識してほしいのが、「聴き手2:6:2の法則」です。これは、聴衆のタイプの割合を示します。
 
聴き手が10人いれば、
・頭の回転が速い人が2人、普通の人が6人、遅い人が2人
・プレゼンの内容に関する予備知識が豊富にある人が2人、多少ある人が6人、まったくない人が2人
・どんな話も好意的に聞いてくれる人が2人、中立的に考える人が6人、懐疑的にとらえる人が2人
 
複数の人が聴き手として集まれば、たいていこういう分布になります。予備知識がある人もない人も、ポジティブな人もネガティブな人もいるわけですから、そもそも、全員が同じように理解して同意してくれるプレゼンはないと考える方が健全でしょう。
ですから、大事なことは次の2つです。2:6:2に分布する聴き手の中で、真ん中はどのあたりかを見定めること。そして、全体の8割の人に納得感がある話をするよう心がけること。
 
多くの人は、プレゼンを終えたあと「伝わった」「伝わらなかった」と考えがちです。しかし正確を期すなら、「8割くらいの人には伝わった」「2割の人にしか伝わらなかった」という言い方が妥当でしょう。全員に同じように伝わることは、まずないからです。
相手が複数いる場合は、ゼロかイチかではなく、比率感を持って考える。こうすると、全員を感動させなければという余計なプレッシャーから解放され、冷静に相手を見て話すプレゼンができるようになります。

下地 寛也(Shimoji Kanya)

コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)

イラスト/海老佐和子
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