リサーチ

2016.12.14

夢を仕事に託さない「若い戦力」

堅実&現実的なタイプが増えつつあるイマドキ新入社員

新卒の「仕事に対する姿勢」はこれまでとはかなり違っている。新入社員の力をより引き出すために、彼らが仕事に何を期待しているかを分析してみる。

株式会社マイナビが2016年4月入社の新入社員を対象に調査した「2016年マイナビ新入社員意識調査」によると、若い世代ほど、自分の時間を大切にする「ワーク・ライフ・バランス」を意識しているようで、仕事とプライベートについて質問をしたところ、「プライベート優先」「どちらかといえばプライベート優先」と回答したプライベート優先派が2011年の調査開始以降最高の56.5%となった。「プライベート優先」の回答は、調査開始以降年々増加しており、「仕事優先」を逆転した昨年に続いて過去最高の数字。
 
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それに関連して、残業についての考え方のアンケートでも、「残業はしたくない」「アフター5を会社以外の人と過ごしたい」という回答が年々増加し、個人の生活を重視する傾向が見られる。残業について「絶対にしたくない(2.9%)」「なるべくしたくない(22.7%)」と残業を好まない回答が合わせて25.6%。さらに「アフター5に会社の人と過ごすこと」に対して消極的な意見を持っている割合は、過去最高の78.5%となった。社会人生活で仕事だけではなく、個人の生活も重視する考え方が、新入社員世代の中で広がっている。だが、残業に関しては例年「必要な残業であればよい」という回答が大多数を占めているのは変わらず、状況に応じた柔軟性も読み取れる。
 
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また「仕事を通じて叶えたい夢があるか」については、「ある」が70.2%で、質問を開始した2012年の77.7%から7.5%の減少となり、調査開始以降最低の数値となった。「夢がある」と回答した人と「夢がない」と回答した人の比較では、「仕事において重要だと考えていること」の1位は「良好な人間関係」で同じ。「夢がある」人の2位が「挑戦(15.6%)」だった一方で、「夢がない」と回答した人は「楽しさ(15.2%)」が2位であった。
 
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また、「夢がある」人の方が「社会貢献」や「人への影響」を重視し、「夢がない」人の方が「成功、評価、地位」や「報酬」を重視する傾向が見られる。それにも関わらず、「夢がない」と答えた人の方が、「30歳時点での理想の年収」が低い傾向がある。
 
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今の新入社員には、「仕事と夢は切り離して考える」人が増え、「成功や高収入を漠然と求める」人が少なくなっているようだ。リーマン・ショック以降の不景気な社会状況の中で育ってきた世代は、現実をより見据えるようになり、仕事でも堅実志向なのかもしれない。だが堅実だからと言って、仕事への意欲が低いこととイコールではない。新入社員の7割近い69.2%が「社会人生活に期待をしている」と回答しているのだ。「出世したいか」という質問については、「したい」が89.3%で、例年通りの高い割合となった。つまり、上昇志向は高いが、それに伴って地に足のついた人生設計をしているということになる。
 
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今時の新卒世代には、広大な夢物語よりも、現実的な目標や小さな評価の積み重ねが、受け入れやすく、出世や成功への足がかりになりやすい傾向があるようだ。期待を胸に入社してくる彼らの能力を発揮するには、上の価値観に倣わせるだけでなく、こうした世代の意識の差を理解し、企業側も柔軟に対応することが求められている。
 
 
(出典)株式会社マイナビ「2016年マイナビ新入社員意識調査」をもとに作成
作成/コクヨ ワークスタイル研究所
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