リサーチ

2016.11.04

終日在宅勤務で削減できた"通勤時間"をどう使う?

使い方で見えてきた男女の異なる意識

オフィスに行かなくても自宅やサテライトオフィス、コワーキングスペースなどで仕事ができるテレワークという働き方が浸透し始めている昨今、より有効に使えるようになった時間を何に使っているのだろうか。

平成28年3月に国土交通省から「平成27年度テレワーク人口実態調査」が発表された。その調査によると終日在宅勤務実施によるメリットは、「通勤や移動の肉体的・精神的負担を減らせる」が一番高く、続いて「自分のために使える時間を増やせる」「仕事に集中でき、業務効率が高まる」とのこと。特に在宅勤務制度等の有無の差が大きい「通勤や移動の肉体的・精神的負担を減らせる」ことは、想像以上にその効果は高いと実感していることがうかがえる。
 
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第2位の「自分のために使える時間を増やせる」は、在宅勤務をすることで削減できる通勤・移動時間と関係してくるが、実際にその時間を何に「使っている」のか、末子が小学生以下であるワーカーに尋ねたところ、男女で大変興味深い違いが出た。
 
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女性は、削減できた通勤時間の活用として、一番多かった意見は「育児・子育て」。そして「食事・入浴・家事・身の周りの用事」「買物」と続く。家族のことを自分のこととして捉え、優先しているといえる。また普段から家事・育児に時間が足りていないと考えている現れともとれる。一方で、同じ小学生以下の末子を持つ男性の場合、最も多い活用状況は「趣味、娯楽、遊びなど」。次に「家族との時間」「育児・子育て」と続くが、女性の回答割合に比べてとても低い。こういった点で男性と女性で育児・子育て・家事への関わり合い、意識の差がみられた。
 
女性活躍推進法が制定された今年。より女性が社会で活躍するためには、家族の、特にパートナーとの協力体制が とても大切になってくる。まだまだ家庭のことは女性に、という意識が高い日本を変えることが、急務であるのではないか。
 
 
(出典)国土交通省「平成27年度テレワーク人口実態調査 -調査結果の概要―」より
作成/MANA-Biz編集部