リーダーのためのマナー

2016.11.02

どこかで聞いたような正論を吐くリーダーは陰でバカにされる

リーダーのためのビジネスマナー5:オピニオンを持って話す

「自分の意見=正しい意見」
である必要はない

リーダーは、どんなテーマに対しても、自分なりのオピニオンをもって話すことが求められます。ビジネスマンは、少し話しただけで「この人は面白いな」と周りに思わせることでチャンスを拓きます。リーダーは、その手本を示す必要があるのです。
自分の意見を持つためには、メディアや周囲の人を通してキャッチした情報に関して、普段から「自分はどう思うか」を考え抜き、オピニオンの構築に慣れていく必要があります。
ただし、注意したい点が一つあります。それは、「必ずしも正論を言う必要はない」ということです。インターネット上には、さまざまな事象に関して正論があふれています。しかし正論のなかには、ありきたりでつまらないものもたくさんあります。得意げによくある正論を言ったところで、部下は「どこかで聞いた話だ」と思うだけです。偏ったものでもいいから、他人と違う意見を提供できるのが一流のリーダーです。
 
 
 

つまらない正論は封印し
自分なりの意見を考える

例えば、「全国の高校では近年、先生がノーネクタイで卒業式に出席するのが当たり前になっている」という話を聞いたとします。私は、「式典にはきちんとネクタイを締めて出席するべき。ネクタイを息苦しいと感じないような精神性を生徒に示すべきだ」と考えます。もちろん、自分の見解が絶対的に正しいとは思いません。人によって、さまざまな意見があるでしょう。だからこそ議論が面白くなるのです。
リーダーとなったあなたが会話をするときは、これまで以上に「どこかで聞きかじった意見を言っていないか」「つまらない正論を言っていないか」と意識するといいでしょう。

中谷 彰宏(Nakatani Akihiro)

早稲田大学第一文学部演劇科卒業。博報堂でCMプランナーとして活躍ののち、91年に独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス・恋愛・教育・自己啓発など多彩なテーマで執筆活動を行い、多くのベストセラー・ロングセラーを出版。また、「中谷塾」を主宰し、一流のリーダーをめざすビジネスマンに向けて全国でワークショップや講演会を行っている。『なぜあのリーダーに人はついていくのか』(ダイヤモンド社)、『部下をイキイキさせるリーダーの技術』(リベラル社)など著書は1000冊を超える。 【中谷彰宏公式サイト

イラスト/吉泉ゆう子 写真/為広麻里