仕事のプロ

2016.07.13

次世代型 "クリティカルワーカー" を育てる〈前編〉

“能力発掘型インターンシップ” で原石を見いだす

「後輩にオススメしたいインターンシップランキング」(Jobweb調べ)で6年連続1位を獲得している(株)ワークスアプリケーションズ。大手企業向けERP(統合業務)パッケージソフトの開発・販売で国内トップシェアを誇る、クリエイター集団だ。多くの企業が学生に職場体験の機会を提供することを目的としたインターンシップを行うなか、同社では問題解決能力の高い人材を発掘するための異色のプログラムを展開している。その取り組みの背景や狙いについて、人材開発室長の佐藤文亮さんに伺った。

クリティカルワーカーを
発掘するための選抜の場

ワークスアプリケーションズのインターンシップのコンセプトは、“問題解決能力発掘”。「自分で問題を見つけ出し、それを解決するアイデアを生み出し、モノ(システム)を創り上げていくことができる“クリティカルワーカー”を発掘するための選抜の場」と佐藤さんは言い切る。
 
2002年から行われている同社のインターンシップには、世界から毎年約80,000名もの学生がエントリーする。そのうち筆記試験など複数回の審査を経てインターンシップに参加できるのは、2,000名程度。国内に限らず海外にも展開し、現在は世界9都市でインターンシップを開催している。
 
プログラムはいたってシンプルだ。例えば、「世界中の美術館で働く人たちがワクワクできるアプリケーションを創れ」や「空港で働く人たちがより快適に仕事ができるようなアプリを考えよ」というような、明確な答えのない課題(クリティカルワーク)に挑戦させる。このように参加者には、たった一文の問いが与えられるだけで、自ら解を見出してそれに見合うアプリケーションを開発してもらうのだが、会社紹介も職場体験もなければ、課題についてのレクチャーも一切ない。学生にとっては、自分だけの力で徹底して考え抜く、自らの問題解決能力を試す場になっている。
 
 
 

知識や情報は借り物に過ぎない
自分の頭でゼロから考える 

インターンシップの期間は年により異なるがだいたい1カ月で、その間、参加者は課題に対する解決策をひたすら考え、生み出したアイデアを最終的にはシステムというかたちに創り上げていく。最前線で活躍する社員がメンターとしてつくが、具体的なアドバイスも技術指導もしない。学生のプレゼンテーションに対して、ヒントをフィードバックするのみだ。必要なプログラミングの知識についても、テキストを1冊渡すだけで参加者自ら習得させる。さらに、インターネットを使用禁止にすることで、外部からの情報や既存の知識を参考にするのではなく、自分の頭でゼロから考えざるを得ない状況をつくっている。
 
「例えば、美術館ってどんなところでどんな人が働いているのだろう、彼らは何に喜びを感じ、どんなことに不便を感じているだろう…と、自分の中でイメージを膨らませ、仮説を立て、現状の問題点やその理由を考え、さらにどうあればいいかという理想像を描く。そのうえで、理想と現実のギャップはどうすれば埋められるのか、どんなアプリケーションを創ればいいかを、要素を分解して具体的に考えていきます。インターネットや書籍などからの借り物ではなく、自分で考え、気づき、創造していくというプロセスを通して、参加者は問題へのアプローチ法や気づきを手にしていくのです」
 
 
文/笹原風花 撮影/ヤマグチイッキ
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