会議

2016.04.06

会議を活性化するコツ

会議1:「ダメ会議」に陥るワケ

有意義な会議、
できていますか?

「会議」と聞き、みなさんはどんなシーンを思い浮かべますか?

アイデアを募っても誰の声もあがらない、静まり返った会議室。ようやくあがった意見にも、「それって実現可能なの?」と容赦のないツッコミが入り、そしてまた再び訪れる沈黙。進行役が淡々と議題を読みあげる声を聞きながら、こんなことを思う。「今日は何時に終わるかなぁ......。いつもより少しは早いといいんだけれど」。

おそらく誰もが、こんなネガティブイメージを持っているのではないでしょうか。しかし実は、こうしたグダグダした「ダメ会議」を活性化する、ちょっとしたコツがあるのです。活発に意見が出て、時間通りに終わり、すべてがまとまる。会議を本来あるべき姿へ導くためのテクニックを、これからご紹介していきましょう。



ダメ会議の原因は
「お決まりパターン」と「ごちゃまぜ進行」

うまくいかない「ダメ会議」のパターンというのは、どの会社でも大きな違いはありません。以下、列挙してみましょう。

・誰が来るのかわからない 
・決定する人が来ない 
・事前の情報がない 
・時間どおりに始まらない 
・目的や議題があいまい 
・進め方が見えない 
・参加者の役割が不明 
・意見が出ない 
・話がすぐ脱線する 
・否定的な意見が多い 
・同じ話が繰り返される 
・優先順位がつけられない 
・結論が出ない 
・声の大きい人が勝つ 
・当事者意識がない 
・時間内に終わらない 
・何が決まったのかあいまい 
・次の行動が見えない

どうですか?「あるある!」とうなずける点がたくさんあったのではないでしょうか。実をいうと、これらは人が集団で議論をする場合に、ほぼ必ず起きるといっていい「お決まりの組織行動パターン」です。
しかし起こりうるパターンを事前に把握し、それに対する解決方法を知っておきさえすれば、どんな会議でもうまく対応できるようになるのです。

誰かが何かを発言すると、それに対し否定的な意見を言ってしまう人が出てくるものです。批判された人は次から発言をしなくなり、どんどん意見を出しにくい空気になっていく......こんなシーン、会議でよく見かけます。

いろんな意見を出しあう工程を「発散」、そこで出た内容を取捨選択してまとめていく工程を「収束」といいますが、うまくいかないダメ会議の大部分は、この「発散」と「収束」をごちゃまぜにして進行しているのです。

アイデア出す「発散」のときは、一つひとつへの批評や評価はしない。アイデアをどんどん出してもらい、考えうるアイデアをすべて出し尽くすことに集中します。そしてひと通りアイデアが出たところで、次にアイデアの絞り込みをする「収束」に切り替えます。意見や批判はこの「収束」のときに出してもらうようにする。こうすれば「批判や否定を気にして、意見を出しそびれる」パターンを、回避できるわけです。


下地 寛也(Shimoji Kanya)


コクヨ㈱入社後、行動と環境(創造性、コミュニケーション、場のあり方等)に関する研究・分析を担当。2003年より、クライアントの企業変革のコンサルティングや研修コンテンツ企画を担当する。著書『コクヨの3ステップ会議術』(中経出版)、『コクヨの1分間プレゼンテーション』(中経出版)、『コクヨの5ステップ ロジカルシンキング』(中経出版)、『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』(中経出版)、『コクヨのコミュニケーション仕事術』(総合法令出版)



イラスト/ちぎらはるな